2024年 4月 26日 (金)

「青天を衝け」テロに走る栄一に賛否大激論!「可愛い赤ちゃんを捨てるのか」「無責任。共感できない」「お札の顔にするな」「当時の志士は妻子を捨てて奔走した」「コロナの現代に通じるドラマ」

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   吉沢亮主演のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の第11回「横濱焼き討ち計画」が4月25日放送された。可愛い赤ちゃんが産まれたのに妻子を捨てて横浜焼き討ちの企てに走ろうとする栄一に、ネット上では「テロリストに共感できない」「こんな人物をお札にしてよいのか」という意見と、「当時の志士たちの熱い志があって、現在の私たちがいる」「コロナの現在に通じるドラマだ」と激論が交わされている。

   物語は、栄一(吉沢亮)と千代(橋本愛)に待望の男の子の市太郎が誕生するが、すぐに亡くなってしまい、渋沢家は重い空気に包まれてしまう。そんな中、惇忠(田辺誠一)は自らの手で攘夷の口火を切ろうと、横浜の外国人居留地の焼き討ちを発案する。心を動かされた栄一は武器や仲間を集め始める。一方、謹慎を解かれた慶喜(草彅剛)は将軍・家茂(磯村勇斗)の後見職となったが、島津久光(池田成志)らから「一刻も早く攘夷の決行を」と迫られる。

  • 待望の赤ちゃんが生まれて喜ぶ栄一(NHKの公式サイトより)
    待望の赤ちゃんが生まれて喜ぶ栄一(NHKの公式サイトより)
  • 待望の赤ちゃんが生まれて喜ぶ栄一(NHKの公式サイトより)

千代が自分と子を捨てる夫をかばうのはあり得ない

   そして、栄一と千代に2番目の女の子が誕生するが、栄一は父親の市郎右衛門(小林薫)に「おらを勘当してくれ。みんなを幸せにするために働きてえんだ」を頼む。千代も「私からもお願いします」と頭を下げる。...という展開だった。

   ネット上ではこんな声があふれた。

   「どこから連れてきたの、と思うくらい可愛い赤ちゃんの笑顔だった。栄一のやつ、赤ちゃん生まれたのに勘当してくれは無責任だろ! しかも1人目の子供は死んでしまい、2人目はなおさら大事に育てなきゃいけないのにどんなだけ勝手なやつなんだよ!横浜を焼き討ちしようとしていたやつがお札に使われていいのか?」

   「恵まれた豪農で、恋女房と子供を作り、なぜその全てを捨てて『大義』とやらに生きたいというのか、それまでの道程が浅く軽くしか描かれていないため、全然説得性がなく、ドラマや主人公に感情移入ができません。おまけに千代まで『栄一さんは日の本のことを考えているんです』と義父に頭を下げて頼むのはあり得ないでしょ。どこの世界に自分と子供のことをないがしろにする夫をかばう妻がいますか!」

   「正直、描写不足に思います。2人目の子供が生まれた直後に父の所に行き、家族を捨てて日本のために尽くしたいと願い出た栄一でしたが、いつ栄一の思いがそこまで膨らみ、こみ上げ突き上げてきたのかよく分からない。子供ができたのならもっと家族と日本を変えたいという思いとの間で葛藤させるべきです。幕末の動向も表面的になぞるだけで、全然中身を感じ取れません」

国事に奔走する夫を支えた奥様たちは本当に偉かった

   一方、実際の幕末の志士たちは妻子を省みなかったし、妻たちもそんな夫を応援していたという声も多かった。

   「でも、実際に幕末には妻子を郷里に置いて、家を顧みず、日本のために奔走した志士がたくさんいた。家を守ることが妻の仕事と考えた女性も多かった。 その人々のおかげで今の日本がある。今日の回はよかった」

   「湘南新宿ライン快速で2時間以上かかる高崎-横浜間を自分たちの足で走って襲撃しようという栄一たちには驚きましたが、山口県や鹿児島県から京都、江戸を往復して国事に奔走した当時の志士たちの体力と気力も相当なものです。妻子は当然置いてきぼりです。見たことも聞いたこともない外国の船が次々に来て、変な病気も次々に流行る世の中で、国のために働くご亭主に代わって家を守った奥様たちは本当に偉かったと改めて思います」

   「ホームドラマのような渋沢家の生活描写が長くて飽きることもあったが、家庭生活がしっかり描いてきた甲斐があって、広い世界に出て行こうとする栄一と送り出すことを決める家族の心情がストレートに伝わってきて良かった。 栄一たちの焼き討ちの計画会議や準備のシーンも面白かったが、早くも島津久光との関係が悪くなり始める慶喜、長州に後押しされて強気の三条、戻ってきた円四郎など慶喜パートも面白かった」

素晴らしい「父ッつあま」がいてこその渋沢栄一だ

   小林薫が演じる「父ッつあま」も素晴らしいという人が多い。

   「渋谷栄一さんも凄い人ですが、跡継ぎの栄一さんの意思を尊重して、彼の思い通りにさせた父親の渋沢市郎右衛門さんは、もっと凄い人ですよね。普通の父親なら絶対に反対すると思います。やはりこの父親がいてこそ、渋谷栄一さんは激動の時代で大成したんですね!」

   「『お前はお前の道を行け』って父っつあま。栄一青年は横浜焼き討ちを計画しているわけで、ほとんど9.11に近いテロ計画。とても『わしはわしの道を行く』とか呑気に言っている場合じゃない。史実だけど。尾高長七郎が必死で止めたとか。坂下門外の変だって充分に無謀だ。お互いに相手の無茶は分かっている。今の世からテロリズムと切って捨てるのは簡単だが、それだけ切羽詰まった状況の幕末。今だって新型コロナで鎖国とか攘夷みたいな心情になっているからね。WHO並みに無為無策な幕府だったりして」

   「栄一のエネルギー。可愛い赤ちゃん産まれたのに何で?っていう感想があるけど、自分だけが幸せじゃ駄目なんだ、世の中みんなを良くしないと!っていうのが、この頃の熱い若者たちの思いなのです。それが行きすぎてテロのようのことを起こしたりするわけ。栄一だって一歩間違えば、ただのテロリスト。でも平岡によって、そのエネルギーを良い方向に向けてもらえるのですよね。来週からが楽しみです」

   早く明治に入らないかと期待する人が多い。

   「渋沢栄一がしたことは数々の偉業は起業サポートのはず。尊皇攘夷で4月まで引っ張って寄り道ばかり描くから、ナレーションが多くなり、感情移入が出来ない」

   「早く明治にならないかな。一昨日見たブラタモリが秩父、長瀞だった。渋沢栄一に先見の明があって、秩父鉄道の手助けをしたと言っていた。そういう渋沢栄一の姿が早く見たい。武士が主人公の歴史ドラマはたくさんあるが、農民(市井の人々)から見た幕末はないので、島崎藤村の『夜明け前』みたいなドラマを想像したが......イマイチ違った。いっそ明治時代から始めれば良かった」

市太郎を亡くした後、一心に鍬を下ろす栄一が哀しい

   最後にこんな声を紹介したい。

   「幕末ものを見るたびに、志とは厄介で哀しくて尊いものだなーと思う。百姓としての矜持と立ち位置を全うする栄一の父も、想いに突き動かされ未来の為に小世界から飛び出して志に生きる栄一も大差はない。慶喜を担ぎ攘夷遂行を企てる攘夷藩士も国を想い守りたい幕府方も大差はない。それぞれ志あるもの達が現れることが礎となり未来へ続く。劇中の麻疹やコレラはまさにコロナのようです。現代に通じるドラマとして感情移入して見ています。映像もいい。市太郎を亡くした後の落日の一コマは、美しく、哀しく、不穏だった。一心に鍬を下ろす栄一の姿が、哀しいのか、怒っているのか......」

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