2021年 6月 21日 (月)

映画「旅情」と「アバター」から考えるドラマの当たる要素

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   私は、2004年の7月から日本テレビのドラマ部長を1年やり、その後編成局長・制作局長を2009年2月まで担当しました。4年7か月ほどドラマの制作に関わっていたことになります。

   私なりに考えた、ドラマが当たる要素を述べてみたいと思います。今から映画の例を2つ出しますが、「ドラマの考え方」としては、テレビドラマと共通していると思うからです。

  • 映画「旅情」のDVDパッケージ(NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンのサイトより)
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人間の葛藤を描くドラマに必要な「ボーイ・ミーツ・ガール」

   まずは、キャサリン・ヘプバーンが1955年に主演した「旅情」(アメリカの地方都市で秘書をしている独身の38歳の主人公が、長期休暇をとり念願のヨーロッパ旅行に出かける話)を見ていて思ったのですが、ドラマが当たる要素が入っていました。ドラマが当たる要素とは、 "こういう人がいる。こういうことをする。その人間が葛藤をする"ということです。

   もちろんドラマの本質は「人間の葛藤」を描くことにある訳ですが、「旅情」のキャサリン・ヘップバーンは独身の秘書が憧れていたヨーロッパ、それも最終目的地の水の都ヴェネツィアに来て、1人の男性に出会う過程での演技が素晴らしいのです。

   旅先で見せる彼女の動作一つひとつが、"あー、こういう人がいて、こういうことをするな"と思わせます。その彼女が、憧れのヴェネツィアで、出会った男性と恋に落ちて"葛藤する"ところがなんとも言えないのです。

   "こういう人がいる。こういう人がいる。その人間が葛藤をする"ことは、ファンタジーでもいいのです。

   2009年のアメリカのSF映画「アバター」では、近未来の世界での「ボーイ・ ミーツ・ガール」を描いています。つまり、「男と女の出会い」です。

   「アバター」では、地球からある惑星に"男"がたどり着いて、 "女"に出会います。その男は、危ういところを惑星の部族の若い娘に助けられ、その部族の生き方を学んでいくのです。その過程で恋が生まれるのですが、私が言いたいのは、古い映画「旅情」にしても、近未来を描いた「アバター」にしても、"こういう人がいる。こういうことをする。その人間が葛藤をする"ことと"ボーイ・ミーツ・ガール"を描いている点では一緒なのです。

渡辺弘(わたなべ ひろし)
渡辺 弘(わたなべ ひろし)
1952年生まれ。東京大経済学部卒業。1976年に日本テレビに入社し、制作局CP、ドラマ制作部長として番組づくりの現場で活躍。編成局長、制作局長、取締役報道局長、常務・専務を歴任した。「マジカル頭脳パワー!!」「THE夜もヒッパレ」「「スーパーJOCKEY」「24時間テレビ」などヒット番組をプロデュースした。 現在は「情報経営イノベーション専門職大学」客員教授。映像会社「2501」顧問。
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