司会の羽鳥慎一が「(きのう)9月8日(2021年)、東京都内のコンビニなどで偽の旧1万円札が142枚使われた事件で、3人が逮捕されました」と驚きのニュースを紹介した。逮捕されたのはベトナム国籍の女性ら3人だった。3人は、8月に東京・中野区内のコンビニで偽の旧1万円札を使用した疑いがもたれている。8月中旬以降、都内のコンビニなど130店舗で142枚の使用が確認されている。
「透かし」様のものも入る精巧なつくり
事件の1カ月前の7月には事件で使われたとみられる偽札の動画がSNS上に投稿されていた。動画に映った偽札を束ねる帯封には聖徳太子の画と100万円の金額が印刷されており、偽札には透かしが入っており、しかもすべて違う番号だった。ただ、偽札に使用された「PS」で始まる番号は実際には存在していないという。警視庁は3人の所持品や自宅から約130枚の偽札を押収した。押収された偽札はカラープリンターで作ったものではない精巧なもので、逮捕された3人が製造したものではない。
いったいなぜ、そのような精巧な旧札が出回ったのか? 捜査関係者によると、聖徳太子の旧1万円札が使われた理由について「今の1万円札は偽造できないよう様々な細工が施されている。聖徳太子の旧1万円札が偽造グループの技術の限界だったのではないか。ベトナムでは今回使われた偽の1万円札が出回っていた。その偽造データを使い、透かしを入れることが可能な機器で偽札をつくった可能性が高い」と分析している。
元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏によるとコンビニが狙われた理由は、「コンビニには旧札を知らない若い人や外国人スタッフが多く、本物と偽札の判別がつきにくいから」と言う。また、日本はキャッシュレス化が進んでいないため、偽造通貨事件が起きやすいという見方もある。2018年の調査によると、キャッシュレス決済の比率は韓国94.7%、中国77.3%に対し、日本は24.2%。
キャッシュレス化と偽札問題
社会活動家の石山アンジュは「もしも自分が店員の立場だったら、気付かなかったと思う。キャッシュレス化は偽札問題に対応するためのもの。今後はキャッシュレス化が進めばいいと思う」とコメント。
これに対し羽鳥が「旧1万円札は1986年まで発行されていたものです」と説明すると、石山も斎藤ちはるアナも「今まで、見たことも使ったこともありません」。
テレビ朝日コメンテーターの玉川徹は「今の人が1万円札を『ユキチ』と言うように、昔は1万円札のことを『聖徳太子』と言っていた。若い人が見たことがない旧札は、かえって偽札なのではないかと思われるのではないか。コンビニの本部は旧札は使えないと店に告知を出しておけば旧札の使用を拒否できるのでそうすればいいが、一般のお店だと『懐かしい』などと話がはずんだりすると思う」とコメント。
石山が「2024年にも新デザインの札が登場するが、移行期にはまた慎重にならないといけない」とコメントすると、羽鳥は「するとまた将来的には今の1万円札を見た人が『なんですかこの福沢諭吉の紙は?』ということになるかもしれません」と話した。
(バルバス)