2024年 4月 16日 (火)

生活費足りない...働かざるを得ない高齢者 谷原章介が指摘した「過酷な」労働環境

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   この日の「NEWSわかるまで解説」のテーマは「働く高齢者」。堀池亮介アナが「今の日本では65歳以上の高齢者909万人が定年後も働いています。総務省の労働力調査では2004年以降、18年連続で働く高齢者の数は増え続け、去年909万人で過去最高を記録しました。65~69歳では2人に1人が働いているという実態もあります。なぜ働く高齢者が多いのかを解説します」と説明した。22日(2022年9月)の「めざまし8」。

  • 高齢者の暮らしぶりは…(写真はイメージ)
    高齢者の暮らしぶりは…(写真はイメージ)
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会計事務や一般事務は5%台と低く

   映像ではおなじみのスーパーアキダイの様子。勤続27年の店長は69歳、他にも最高齢73歳の従業員が商品の袋詰めなどの仕事に従事している。

   この映像を見た司会の谷原章介は「人生100年時代、国としても高齢者の方々を活用したいという方針もありますが、僕自身は年金の支給年齢も引き上げられていますので、働かざるをえなくて働くのではなく、生きがいとして働くならいいのかなと思います」とコメント。

   では高齢者たちはなぜ働くのか、去年行われたマイナビの調査によると、その理由で一番多かったのが「自分の生活費のため」で60%以上、また「家族の生活費のため」という回答も40%以上だった。なぜ生活費のため働くのかというと、そこには年金だけでは足りないという実情がある。厚生労働省の年金局によると月平均の受給額を平均すると厚生年金(14万6145円)と国民年金(5万6358円)で、合計20万2503円となる。それに対して老後の生活に必要な費用は、生命保険文化センターの調査では夫婦2人の生活費用は、最低限で22万1000円、ゆとりを持って暮らすためには36万1000円が必要という。

   ゲスト解説の坂本貴志氏(リクルートワークス研究所アナリスト)は「総務省のデータを見てもだいたい30万円台半ばくらいの収入があるとしっかりと生活できると言われています。しかし年金はだいたい20万円くらいですので、夫婦2人であと10万円稼げればある程度豊かな生活ができるということになります」と話す。

   では高齢者はどのような職種で働いているのか。割合の多いものから順に、農業(52.6%)、居住施設・ビルなどの管理人(47%)、警備員(37.1%)、清掃(33%)など肉体を使うものが多くなっており、会計事務や一般事務は5%台と低くなっている。

   谷原は「実際に真夏の工事現場などで交通整理をするなど過酷な環境で肉体労働をされている方が多いですね」とコメント。

大空幸星「今、高齢者は貧困化しているんです」

   ジャーナリストの立岩陽一郎は「本当に、真夏の暑い中、僕よりはるかに年上の人が交通整理をしていると頭が下がる思いです。やらなきゃならない立場になったら僕だってやります」と言ったうえで、「こういう事態は今後さらに加速するのでしょうか?」と尋ねた。

   坂本氏は「こうした流れはますます強くなっていくと思います。管理人、警備員、清掃員などの仕事がマジョリティだが、これらは大切な仕事。それなのに評価が高くないのが実情。もっと労働環境や賃金も良くしていくことが大事になってくる」と説明。

   実際に午前0時~7時まで警備の仕事で、時給1200円で働き、月10万円ほどの収入を得ているという69歳男性は、「昼に働きたいが、時給のいい夜のバイトをしている。帰ったら寝るだけ」と言い、労働環境や賃金は必ずしもいいとは言えないのが現実。就業中の高齢者の事故も増えている。シルバー人材センターによると2021年には3930件の事故があり、死亡事故はそのうちの20件あった。

   元衆議院議員の金子恵美は「60代継続雇用者の研修は企業によってはやっているが、肉体労働に関する労務管理は十分ではないと思う。とはいえ労働力不足の中で、戦力として高齢者にいて頂くのはありがたいことなので、意欲や能力に適した仕事が得られるようなマッチングが今後大事になってくる」と話す。

   実業家の大空幸星は「今、高齢者は貧困化しているんです。生活保護受給世帯に占める高齢者の割合はどんどん増えていて、今は半数を超えています。働かざるを得ない人が増えると、市場に労働力が供給され続けるわけですから、いつまでたっても若者や現役世代の給与は上がらない。そうなると経済成長もできなくなり、分配もできない。で、また高齢者が貧困になるという負のループになっている。真剣に考えないと、未来も希望もない社会になってしまう」と指摘。

   坂本氏は「今後も働く高齢者は増えると思う。ただ、高齢期には短時間で身体的負荷の少ない仕事がいい。こうした仕事を増やさないといけない。賃金ももっと上げていいと思うし、警備員などの現場仕事の方々は本当に立ちっぱなしでなくてはならないのか、というところから考えていかないといけないと思う」と話した。

(バルバス)

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