キーウへのミサイル攻撃 「スッキリ」が伝えた現地住民の声

   ウクライナの首都キーウの中心部などに10日(2022年10月)、80発以上のミサイルが撃ち込まれ、少なくとも14人が死亡、97人がけがをした。ロシアのプーチン大統領は、クリミア橋爆破に対するロシアによる攻撃だと認めた。11日の「スッキリ」が、被害を受けた現地を取材した。

   プーチン大統領は10日、キーウなどへの攻撃を認めた。「ロシアの計画によって、ウクライナのエネルギー・軍事指揮・通信施設に関する大規模な攻撃が行われた。我々の領土に対するテロ攻撃を遂行しようとする試みが続く場合、もたらされる驚異のレベルに匹敵する規模で厳しく報復する」。

  • キーウなどへミサイル攻撃が行われた
    キーウなどへミサイル攻撃が行われた
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「こんな徹底的に攻撃されるとは...」

   9日には、クリミア橋の爆発について「ロシアの重要な民間インフラの破壊を目的にした、テロ行為であることは間違いない。ウクライナの特殊部隊が発案し、実行を決め、命令したものだ」。ロシア捜査委員会のトップは、「容疑者や爆発したトラックのルートを特定した」。ウクライナ側は関与を認めていない。

   キーウ在住の日本育ちのボグダンさんは、「まさか、キーウがこんなに徹底的に攻撃されるとは、だれも思っていなかった。非常にショックだ」。防空壕へ避難した女性は、「敵は私たちのライフラインを破壊して、生活を奪おうとしているのよ」。ロシア軍の攻撃は、西部のリビウや南部のザポリージャなど10カ所以上に及んだ。

   ボグダンさんは、朝8時20分に大きな爆発の音で目が覚めた。出勤し、子供を学校に送り届ける時間帯で「パニックが起きやすい時間を狙ってきた。一般市民を巻き添えにした」。「キーウは日本大使館ですら稼働している状況だ。まさか、こんな徹底的に攻撃されるとは誰も思っていなかった」。キーウには大統領官邸や国会もあるので、地対空ミサイルの装置が数多く設置されているが、今回のようにミサイルが一気に発射されると、打ち落としきれなかった。全体で80発以上のミサイルのうち、43発は打ち落とされたとされる。

   ウクライナのゼレンスキー大統領は、「(ロシアは)我々を破壊し、地球上から消し去ろうとしている。ウクライナ全土で空襲警報がずっとなり続けています」「(ロシアは)パニックを起こして、エネルギーシステムを破壊したい。これがまだ続くと思います」

   早稲田大のロバート・キャンベル特命教授「新しいフェーズに入ってきている。ロシアのメディアが初めて、ウクライナの大学施設や児童公園のブランコなど民間地域にミサイルを落としているのを、放映した」「ウクライナの4州を併合するということを勝手に宣言したにもかかわらず、次々と削られていく。さらに、威信をかけて作ったクリミア大橋を爆破されたことをきっかけに、国内のソーシャルメディアも、軍部に対する強い批判が噴出している」。 筑波大の東野篤子教授は、「この戦争をどう終わらせるのか、プーチン大統領自身にもわかっていない。落としどころがわからない」

(栄)

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