2024年 4月 19日 (金)

引責辞任否定 損保トップ「居直り」の裏

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   損害保険会社が販売する医療保険など「第3分野」の保険金不払い問題で、損害保険10社が「支払体制に重大な不備があった」として2007年3月14日、金融庁から行政処分を受けた。損保大手6社は2006年10月末、01年7月からの5年間に第3分野で計4,365件、12億2,100万円の不払いを公表し、当時から件数が少な過ぎるとささやかれていた。そんな疑念の通り、最大手の東京海上日動火災保険日本興亜損害保険は今回、不払い件数を大きく増やした。ところが、大手損保の経営トップはそろって引責辞任を否定。05年の問題発覚後、調べるたびに不払い件数が増えたことなどはどこ吹く風で、問題軽視の姿勢で足並みをそろえる始末だ。

金融庁とのやりとりで件数が増えた?

「金融庁の処分に公平性はあるのか」との声もあがる
「金融庁の処分に公平性はあるのか」との声もあがる

   06年10月末の第3分野の不払い報告で会見した大手5社(ニッセイ同和は欠席)のトップはそろって、「これ以上不払いが拡大することはない」と、大見得を切っていた。ところが、実際には東京海上が385件増の1190件と、予想通りトップの座を“奪還”。日本興亜も135件増の968件と“躍進”した。金融庁は処分理由に「組織性が強く認められる」ことを指摘。

   ところが、14日の会見で東京海上は、金融庁とのやりとりを踏まえ、結果的に件数が増えたとの説明を繰り返した。前回の調査結果が不十分だったのではないかとの指摘に対し、「結果が間違っていたとは思わない」と強弁。石原邦夫社長は「件数をどうこうする考えはなかった」と釈明したものの、増えないはずの不払い件数が増えたことについては関心がないそぶりだった。

   経営責任を感じさせないその態度は、進退を問われた際に炸裂した。石原社長は「調査や不払いなどの再発防止が残っている」との言い回しで辞任を否定。4月に会長に就く日本興亜の松沢健社長は「辞めて本でも読んでいる方が楽」と言い切り、職にとどまることこそ己の職責との態度に終始した。

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