枝川二郎の「マネーの虎」
投資マネーの流入はウソ? 原油価格高騰の真犯人

2008/8/ 1 11:40

   原油価格の高騰は世界中の人々に大きな影響を与えている。その原因についてはいろいろな説があるが、もっとも俗受けするのが「先物市場でヘッジファンドなどが投機を目的に価格をつり上げている」というもの。悪いことが起こるときはスケープゴートを探したい、そんな気持ちはわかるし、投機筋というのは悪者にしやすいのかもしれないが、言いがかりはやめたほうが良い。

先物市場を使っての原油価格つり上げは間違い

   まず、「先物市場を使って原油価格をつり上げる」は間違い。先物取引というのは、あらかじめ決められた価格で将来のある時点で売買(受渡し)する権利を約束すること。ヘッジファンドや年金基金などの投資家は、原油そのものを売買したいわけではないので、先物に買い(売り)を入れたら受渡し前に必ず同量の売り(買い)を入れて相殺し、損益を確定する。つまり、将来の価格変動を予測して相場を張っているだけなのだ。しかし実際の原油(現物)価格は受け渡し時に払われる現金の金額であるので、原理的に先物取引の価格とは無関係である。

   また、いままで株式や不動産に向かっていた資金が原油や穀物などの先物市場に流れこんできたためにバブルが起きた、という話もある。それもおかしい。先物市場は現物市場と異なり売りからも買いからも自由にはじめられるので、影響は中立である。そもそも先物市場が特別のわけではない。1980年代のわが国のバブルを考えても、先物市場などなくても不動産や株価が大きく上がった。また、米や鉄のように国際的な先物市場の存在しない商品の値段もこのところ、原油や大豆などと同様に上がっている。

(続く)

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