2024年 4月 25日 (木)

中国は電子ブック戦国時代 ゲームソフトや検索大手も参入

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   米国の電子ブック「キンドル」の発売直後、北京にある漢王科技株式会社は中国語版の電子ブックである「漢王」(Hanvon)を発売した。売れ行きは絶好調で、2年後の2010年3月に株式を深セン証券取引所のマザーズに上場した。漢王の成功に刺激され、電子ブック市場には端末企業、ゲームソフト企業、さらにインターネット検索サービス企業まで乱入し、今は戦国状態に突入した。

先発「漢王」が電子ブック市場で9割以上のシェア

   中国では漢字の読み方が難しく、方言によって発音もまったく違うので、ケイタイなどに入力する際、手書きで入力する人が多い。それを電子信号に転換させていくソフトを開発したのが、漢王科技社だった。国内外を問わず、手書き機能を持っている製品は、ほとんど漢王からソフトを買っている。

   キンドルが売り出された2007年11月。漢王はその機能にいち早く注目、中国語の電子ブックを本格的に開発し、市場に出した。A5ぐらいのサイズで、数百冊から2700冊分の古典、外国文学、最新の流行小説、ビジネスブックなどが入っていて、値段は一台2000-3500元前後だ。ちなみに3000元は中国では150冊の本を買う値段に相当する。

   漢王の電子ブックは意外なヒットになった。純収益は08年が3012万元。電子ブックの発売で、09年の純収益はいきなり8528万元(183%純増)となり、29万台を売った。10年3月3日に深セン証券取引所マザーズに株式を上場し、を調達したいところ、11.3億元の資金がころがりこんできた。

   巨額の資金を背景に、漢王は電子ブックのサービスをさらに充実しようとしている。もともと中国ではほとんどの新聞雑誌社は記事を無料でインターネットに掲載している。そのため、好きな記事をダウンロードして電子ブックで読めるが、今後は有料化に動く可能性もある。

   漢王資源運営部の陳少強部長は、

「今はまだすべて無料にしていますが、今後、新聞雑誌はずっと無料でコンテンツを提供するとは思いません。1.2元の新聞は、電子バージョンで0.4元となります。利益をシェアする場合、私たちは2割を、コンテンツ業者に8割を分けたいと思っています。書籍も同様です」

J-CASTの取材に答えた。現在、漢王は、中国の電子ブック端末市場では9割以上のシェアを持っている。サービスの充実で端末の独占状態も維持していこうとしている。

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