【被災地はいま】4月13日 観光船「はまゆり」の下に埋まる悲しみ

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   観光船「はまゆり」は、岩手県大槌町の2階建て民宿の上に絶妙なバランスを保ちながらのっかっている。同船は震災直後から、津波の猛威を物語る象徴として、多くのニュース映像や写真で報道されてきた。僕はその「はまゆり」を見上げながら、津波の猛威を想像していた。

「さっき、すぐ下で遺体が発見されたんですよ。茶髪で30-40代の女性だそうです」

   自宅2階が「はまゆり」の足下に流され、家の金庫を探しているという岩間翔伍さん(25)が教えてくれた。僕は思わず見上げていた視線を足下に落とした。「私なんてよくあそこを歩いてたのよ」。一報を聞いた女性が悲鳴のような声を上げた。

   日々、報道され、今回の津波被害のシンボルともいえるような現場でさえ、瓦礫の下で助けを求めることすらできず眠っていた犠牲者がいたことに僕は言葉を失った。

   僕がいた数十分間でさえ、大勢の人が「はまゆり」を見上げ、写真におさめていった。その間も、岩間さんは視線を落とし、探し物をしていた。

「家族の写真や手紙は少しずつ見つかるんですが、金庫はなかなか見つかりませんね」

   僕も足下を見つめながら、はまゆりを見上げるだけではなく、足下に埋まる個々の物語や、声なき犠牲者の声をしっかりと拾いあげ、後世に伝えていかなくては、と思いを新たにした。

   「はまゆり」を所有する釜石市は、同船の解体を決めたという。(カメラマン・会田法行)

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