2024年 4月 23日 (火)

むち打ち症めぐる論争に決着? 「脳脊髄液減少症」やはりあった

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   これまで存在があやふやだった「脳脊髄液減少症」の患者を厚生労働省の「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究班」(代表、嘉山孝正・国立がんセンター理事長)が確認した。交通事故のむち打ち症の一部はこうした病気の可能性があるとの指摘があり、事故の補償をめぐる訴訟の争点ともなっていた。研究班は2012年3月までにくわしい診断基準やガイドライン作りをめざしている。

   むち打ち症になり、頭痛、めまい、だるさなどを長く訴える患者さんがあるが、詐病扱いされることも少なくない。篠永正道・国際医療福祉大学熱海病院教授(脳神経外科)は2000年、脳脊髄液の漏れが原因ではないかと気づき、脳脊髄液減少症と命名、社会的な関心を呼んだが、医学界全体は懐疑的だった。

交通事故や頭部外傷で発病

   論争、混乱に決着をつけたいと2007年、篠永さんら脳外科医のほか、神経内科、救急医学、整形外科などの専門家も交えた研究班が発足した。脳脊髄液減少症の特徴から「寝ていると軽くなるが、起きると頭痛がひどくなる」患者さんを各病院で登録し、共通の方法で問診や検査をした。2010年8月までに集まった100 人のデータを分析して、2011年5月末、中間報告書にまとめた。

   それによると、16人について脳脊髄液の漏れが確実、17人がその疑いありと判定された。

   確実例だけに限ると、発病時期は全員はっきりしていた。きっかけは交通事故が2人、それ以外の頭部外傷が2人、転倒1人、医療行為の腰椎穿刺1人、重労働1人、特になしが9人だった。頭痛は「ズキンズキンと脈打つ」88%、「頭全体が締めつけられる」69%とひどく、吐き気75%、疲労感44%、歩行困難38%、耳鳴り・難聴25%などの症状もあった。

   画像診断から推定されるもれた場所は頸椎5人、頸胸椎6人、胸椎3人、腰椎2人。有効だった治療は(1)安静+補液5人(2)安静→ブラッドパッチ(本人の血液を注射して漏れ部を閉じる治療法)5人(3)ブラッドパッチ4人(4)安静→ブラッドパッチ→手術1人など。篠永さんらが実施しているブラッドパッチがかなり有効なこともわかった。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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