2024年 4月 27日 (土)

「闇将軍復活作戦」は失敗 小沢元代表支援の海江田氏敗北

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   民主党の新代表に野田佳彦・財務相が決まった。党内最大の小沢一郎・元代表グループの支援を受けた海江田万里・経済産業相を決戦投票の末に下した。小沢氏がかつての田中角栄氏のように「闇将軍」として復活する作戦は不発に終わった形だ。

   「ノーサイドにしましょう。もう」。2011年8月29日、代表選の決戦投票で勝利した野田氏は、結果判明直後の演説で民主党国会議員らにこう呼びかけた。「小沢VS反小沢」の対立はもう終わりにしよう、というメッセージだ。

「決戦」で野田氏逆転

代表選で投票する野田財務相。小沢元代表とはどういう距離感で臨むのか。
代表選で投票する野田財務相。小沢元代表とはどういう距離感で臨むのか。

   野田氏は代表選にあたり、「怨念の政治を終わりにする」とも訴えていた。菅直人首相は、「反小沢路線」を鮮明にしていた。野田氏と同じく現執行部の流れを受けて立候補した主流派の前原誠司・前外相に比べると、確かに野田氏は「反小沢」色を弱める発言を続けてはいた。

   しかし、代表選の投票結果をみる限り、一気に「小沢闇将軍」を認める状況になるまで小沢氏周辺を人事面で優遇する義理は野田氏にはなさそうだ。「完全排除」の形は取らないまでも、特に党内人事で要職を小沢グループに差し出すとは考えにくい。

   代表選の1回目の投票では、小沢グループ(約120人)と鳩山由紀夫・前首相グループ(約30人)の支持を受けた海江田氏の得票は143票だった。両グループの数を足した数とほぼ一致する。一方、野田氏は、自身のグループ(約30人)数を大きく上回る102票を集め2位につけた。

   続く決戦投票では結局、215票対177票で野田氏が海江田氏に逆転勝ちした。初回投票からの上積み票分だけをみると、約77%が野田氏に流れた形だ。野田氏は、小沢グループへの配慮より先に、前原氏ら3位以下グループへの「見返り」を求められることになりそうだ。

「小沢VS反小沢」の構図は続く

   決戦投票での構図をみると、小沢グループが満足するほどの党内要職を野田氏が譲る可能性は低く、「代表選のしこりは残るはず」と指摘するのは、政治評論家の浅川博忠さんだ。

   野田氏の代表任期は2012年9月まで。あと1年しかない。浅川さんは、よほど小沢氏が満足できる人事ポストが小沢グループに用意されない限り、「小沢氏陣営は来年9月の代表選での勝利を目指して早晩動き出すはずだ」とみている。

   「『小沢VS反小沢』なんていう構図は、もうなくなった」と党最高顧問の渡部恒三氏は言うが、浅川さんは「単に希望を話しているだけ」と切り捨てる。「小沢VS反小沢」の構図は今後も続く、というわけだ。

   小沢氏にとっては、「小沢VS反小沢」の構図で行われた代表選は今回で3連敗だ。前回2010年9月の代表選では、小沢氏本人が菅氏と直接対決して敗れた。今回は、小沢氏は党員資格停止処分中で立候補する権利がないこともあり、鳩山氏とともに海江田氏を担いだが勝てなかった。隠然たる勢力を持つとされながらも「闇将軍」にはなり切れていない形だ。

   「闇将軍」とは、故田中角栄・元首相が、ロッキード事件で逮捕された後も派閥の力を通じて首相選びなどの局面で大きな影響力を行使したことから付けられた称号だ。小沢元代表は自民党時代、旧田中派に属し、角栄氏から最も薫陶を受けた「弟子」とも称されている。

   新代表となった野田氏は党内人事について、「トータルで党を挙げた態勢を作っていきたい」との考えを示した。挙党一致の姿勢を示したものだが、「小沢闇将軍」を許容するような人事にまで踏み込む可能性は低そうだ。

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