2024年 4月 27日 (土)

大不漁でうなぎ高値必至 「1人前1万円」もある?

   うなぎの稚魚の「シラスうなぎ」が3年連続の不漁で、養殖うなぎの相場が1キロあたり5000円超と平年の2倍超に高騰している。

   水産庁によると、稚魚を育てる「池入れ量」(輸入分を含む)は2012年4月25日現在で15トン。年間の必要量は約20~25トンで、不漁とされた11年の最終量(4月末)が19.9トン、10年最終量が21.7トンだったので、かなり少ない。「3年続きの不漁」というが、12年は「最悪」の状況のようだ。

すでに一部で2~3割の価格上昇

   日本のうなぎ消費量は年間6万~8万トン程度とされる。ただ、天然うなぎはほとんどなく、4万~5万トンを中国と台湾からの養殖うなぎが占める。

   稚魚のシラスうなぎの漁期は毎年12月から翌年4月末。2012年の漁もまもなく終わりだが、それにもかかわらず「池入れ量」が15トンしかない。前年も「不漁」だったことから、早くも「土用のうなぎ」はもう庶民の口には入らないのではないか、と心配されている。

   漁獲量が減れば、価格も高騰する。日本養鰻漁業協同組合連合会(日鰻連)によると、シラスうなぎは現在1キロあたり87万~100万円で取引されている。それだけでも平年の約2倍の高値だが、「取引によっては250万円もするケースがある」とし、高値とされた前年をもさらに上回る高値で取引されている。

   「生産者にとっては、シラスうなぎで1キロ50万円程度、成魚で1キロ(5匹もの)2000円前後が妥当な価格とみています。そのくらいが消費者にも手ごろな値段で食べてもらえる。しかしいまの価格では売れませんし、それこそ一人前1万円では食べてもらえません。いいことなどないですよ」と、窮状を訴える。

   うなぎの価格は基本的には成魚の需給バランスによる。漁期は毎年4~6月まで続くが、これから水揚げが増える可能性はあまり見込めない。「ここ数年は稚魚の不漁と、うなぎの成魚の価格が連動するようになった」(日鰻連)ためだ。

   10~11年の稚魚の不漁がすでに成魚の価格に影響して、蒲焼店やスーパーなどに並ぶうなぎの価格は一部で2~3割上昇している。「土用の丑の日」が近づくにつれて、うなぎの値段が上昇することは避けられそうにないようだ。

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