2024年 4月 20日 (土)

巨人・原監督「女性問題で1億円支払い」 情報漏らしたのは、清武氏なのか

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   プロ野球、読売巨人軍の原辰徳監督が、女性問題で元暴力団員に脅され1億円を支払っていた――。週刊文春がこのようなスクープ記事を掲載するという。

   巨人軍は先手を打つ形で会見を開き、前巨人軍球団代表の清武英利氏が情報を漏らした疑いも示した。

「プロ野球と関係ある人物」からの電話

2009年には球団代表だった清武氏(2011年11月25日撮影)
2009年には球団代表だった清武氏(2011年11月25日撮影)

   週刊文春の発売日前日となる2012年6月20日、巨人軍の桃井恒和社長らが会見で、原監督の記事をめぐって近く同誌を名誉毀損の損害賠償請求訴訟を起こすことを明らかにした。

   この日、原監督は談話を発表して詳細を説明した。「1988年ごろ、私はある女性と関係を持ちました」と事実を認めたうえで、「プロ野球と関係ある人物」から2006年8月に電話があり、女性関係をつづった日記の存在を告げられたうえで「表に出ないように私に任せてほしい」と言われたとした。「ゆすられている」と不安になった半面、「私を助けてくれるのだ」とも解釈して「要求された現金」を渡したという。面会したのは、先に接触してきた球界関係者のほかに会社員の男性がいたようだ。

   この時点で原監督は球団には知らせていなかった。だが2009年、別の男性から球団に電話があり、「女性問題のことを書いた日記が監督の手に渡ったはずだ。それを返してほしい」と要求されたため、原監督は球団と夫人に打ち明けたと説明している。

   1988年は原監督が現役選手として活躍しており、「打率3割・本塁打31本」でベストナインにも選ばれた。一方2006年は監督としてのカムバック1年目だったが、成績は4位と振るわなかった。現役時代で脂の乗っていた時期に起きた「女性問題」、監督として再起を期す最初の年に、過去をネタに接触してきた男性への金銭の支払いと、いずれも認めたことになる。

   それでも巨人側が文春を提訴する意思を示したのは、原監督が金銭を支払った相手が反社会勢力に属する人物ではないと主張するためだ。暴力団とのかかわりがあったとなれば、重大な問題となる。読売新聞の報道によると2006年に原監督に接触した男性2人のうち1人は死亡しているが、09年球団に電話をかけてきた人物も含めて全員が暴力団員ではないことを、警察当局から伝えられたという。

   一方、週刊文春編集部はJ-CASTニュースの取材に「記事には十分自信を持っている」とコメントした。

「事件」を報告したときに球団代表だった

   原監督はファンに向けた談話で謝罪したが、実はもうひとつ談話を出していた。その相手は2011年11月、巨人軍球団代表を解任された清武英利氏だ。「清武さんへ」と題された文面の冒頭、「巨人軍の選手、OB、関係者を傷つける報道が相次いでいます。たくさんの暴露が行われ、巨人軍関係者を混乱させ、選手、OBを苦しませています」と記した後、

「こんなことがなぜ続くのか、清武さんのほかに、いったいだれがいるのか」

と、「決めつけ」とも思える言い回しで批判した。確かに原監督が球団に洗いざらい打ち明けたという2009年は、清武氏が代表を務めていた。立場上、清武氏は報告を受けていたと考えられる。

   読売新聞の記事によると、会見に出席した巨人軍の桃井社長は「清武氏がこの報道に関与していると監督も私も思っている」と述べている。事件の詳細を清武氏ら4人しか知らなかったこと、解任前に「原監督の弱みを握っている」と球団職員に漏らしていたことを根拠にあげたが、現時点で決定的な証拠とはいえなさそうだ。

   清武氏と巨人軍は、今も対決が続いている。2012年3月に朝日新聞が巨人軍の新人選手の契約金をめぐって「入手した内部資料」をもとに詳細記事を掲載したが、巨人軍は内部調査によって「清武氏が資料を流出させたのは確実」と結論づけ、これに清武氏側が反発して訴訟に発展した。今回の件も含めて、原監督の言う「たくさんの暴露」には本当に清武氏がかかわっているのだろうか。

   インターネット上では「1億円」という金額の大きさや「20年以上前のことを今さらゆすってくるのが怖い」という点が話題になった。宗教学者の島田裕巳氏はツイッターで、「1億円ゆする人は、そもそも反社会的勢力でしょ」と発言している。

   時事通信によると清武氏は6月20日夜、原監督の談話について「非常に残念でなりません。私は関知していません」とコメントしたという。

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