救急ヘリで「命の格差」是正を 国松孝次・元警察庁長官らが強調

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   9月9日の「救急の日」前後に、全国各地で救急医療に関する講演会やシンポジウムが開かれた。その1つ、東京・大崎病院の東京ハートセンターが2012年9月6日夜に開いたセミナー「突然倒れたら!知っておきたい救急医療の知識」をのぞいてみた。

   国松孝次・救急ヘリ病院ネットワーク理事長の基調講演がよかった。国松さんは警察庁長官だった17年前、狙撃され、救急医療で救われた。その医師たちがドクターヘリに力を入れていたことから、スイス大使を終えてからこの道にのめり込んだ。

   国松さんは、ポスト大震災社会の最重要課題の「安全」の、心構えと仕組みについて力説した。日本人の危機意識は「地震」「台風」の天災ばかりで、非日常と思い、過ぎれば忘れ、投資もしない。しかし、スイス人は、危機は日常的とし、安全のための投資をし、すでに国民の9割を収容する核シェルターを建設ずみだ。

   救急医療は一刻を争うが、日本は「救急車の次」がない。しかし、欧米では、ドクターヘリ網を整備している。東京では救急車で15分で患者を運べるが、北海道や九州など18道県では60分以上かかり「命の格差」が生じている。これを埋める仕組みは、医師・看護師が乗り込んでいくドクターヘリ以外にはないと強調した。

   著名人を交えたシンポジウムでは、医療ジャーナリストの伊藤隼也さんが「救急車は早く来ても適切な病院を探せず、時間を浪費している」と批判、心臓外科医の南淵明宏・東京ハートセンター長が「救急隊の知識は豊富で、よくなっている」と取りなす場面があった。突然倒れた場合は、矢作直樹・東京大教授 (救命救急科) は「意識・呼吸・循環が緊急性のポイント」、伊藤さんは「あらかじめ行きたい病院を受診し、カルテを作っておけば、救急隊がその病院に運んでくれる確率が高い」、南淵さんは「危ないと思う時は遠慮なく騒ぐべき」など具体的なアドバイスをした。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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