2024年 4月 20日 (土)

菅官房長官も「言われればそうかな」? 首相公邸に「幽霊出る」説が再燃

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   猛暑に多少の涼しさをもたらすのか怪談だ。永田町でも首相公邸(旧官邸)に「幽霊が出る」といううわさが再びささやかれ始めた。安倍晋三首相が就任から7か月たっても東京・富ヶ谷の私邸から通勤を続けていることも、そのうわさに真実味を持たせる一因となっている。

官邸時代にはテロの舞台にもなった

官房長官会見でも「幽霊問題」は話題にのぼった
官房長官会見でも「幽霊問題」は話題にのぼった

   「幽霊が出るから嫌なんです」。安倍首相は2013年7月30日に自民党幹部を公邸に招いて開いた会食で公邸に引っ越さない理由を聞かれ、冗談交じりにこう応えたという。6月に出演したテレビ番組では、うわさを「都市伝説」だとして否定していた安倍首相だが、旧知の自民党関係者を前に、つい本音が出てしまった可能性もある。

   公邸は1929年に首相の職場にあたる首相官邸として建てられ、しばしばテロの舞台にもなった。1932年の5・15事件で犬養毅首相が、36年の2・26事件では岡田啓介首相の義弟などが射殺されるなど、いわば「血塗られた歴史」を持った場所でもある。2002年4月に73年間の官邸としての役割を終えたが、昭和初期に流行した「ライト風」建築の代表例で、「歴史の証人」として保存が決まった。南に50メートル移動した後にリフォームされ、05年4月から首相の住居にあたる公邸として利用されている。

質問主意書で「二・二六事件等の幽霊が出るとの噂があるが、それは事実か」

   この「幽霊問題」、政府が大まじめに答弁を作成し、記者会見でも話題にのぼったことがある。

   民主党の加賀谷健参院議員は13年5月15日付けで 、

「旧総理大臣官邸である総理大臣公邸には、二・二六事件等の幽霊が出るとの噂があるが、それは事実か。安倍総理が公邸に引っ越さないのはそのためか」

という内容の質問主意書を提出。これに対して、政府は5月24日に

「お尋ねの件については、承知していない」

との答弁を閣議決定している。

   J-CASTニュースでもすでに報じたとおり、この答弁は5月24日の菅義偉官房長官の会見でも話題になり、菅氏は

「色々なうわさがあるのは事実だし、この間、閣僚があそこで懇談会を開いた時も、そういう話題が出たのも事実。ただ、質問主意書なので、現時点で考えられることを素直に答弁したのだと思う」

と、閣内でもうわさが出ていることを明かした。記者から

「長官も公邸に何度か入っているが、そういった気配はあったのか」

と聞かれ、菅氏は

「言われればそうかな、と思う」

と苦笑いしていた。

02年に取り壊された旧公邸はさらに悲惨だった!

   幽霊問題は「出ては、消える」類の話題だが、安倍首相は第1次内閣時代に8か月ほど公邸に住んだことがあり、この時に公邸の住み心地の悪さを思い知ったのが私邸からの通勤を続けている大きな理由だとみられている。菅氏も会見で、

「大変な激務なので、総理が一番仕事をするのにふさわしい環境で仕事をしてもらうのがいい」

と、このことを示唆する発言をしている。

   1929年に旧官邸と同じ敷地内に建てられ2002年に取り壊された旧公邸では、さらに「幽霊問題」が深刻だったようだ。

   羽田孜元首相のファーストレディーとして旧公邸に住んだ羽田綏子(はた・やすこ)さんは、1996年に出版した「首相公邸 ハタキたたいて64日」(東京新聞出版局)の中で、入居前の下見の段階で

「悪寒が走ったと申しましょうか、何か胸を圧せられるような異様な雰囲気」

を感じたといい、

「公邸にただならぬ『何か』を感じたのは私だけではなかったらしく、細川首相の佳世子夫人はお子さん達と同居されず、寝室を一室お使いになっただけで、残りの部屋にはお香を焚かれていたようです。私が下見にまいりましたときに、まだ残り香がたち込めていたのがとても印象的でした」

と振り返った。おはらいに来た知人の女性行者は、「霊などがうようよいる」と指摘し、自分が気持ち悪いと感じている部屋の押し入れの所に案内すると、「確かにここはひどい。引き込まれそうです」と断言するほど。

   後に国交相を務めることになる長男の雄一郎さんは、旧公邸の周りに塩をまいてから出勤するのが日課だったという。

   さらに、綏子さんが「身の毛もよだつ、怖い話」として振り返るのが、風呂場でのエピソードだ。雄一郎さんが風呂の残り湯を捨てていたところ、「何か」が排水管に詰まっていた。秘書に手伝ってもらいながら取り出したのは、何と髪の毛。雄一郎さんは

「佐藤(栄作)総理の時代のものなのかなァ―と思って笑ってしまった」

と話していたという。

森元首相が寝ていると「複数の軍靴の足音が近づいてきてドアの前でぴったり止まった」

   旧公邸に住んだ森喜朗元首相や小泉純一郎首相も、幽霊の問題を気にしていたようだ。自民党の岩屋毅衆院議員は05年4月にウェブサイトに掲載したコラムで、森氏から直接聞いたエピソードとして

「ベッドで寝ていると『ザックザック』といういかにも複数の軍靴の足音が近づいてきてドアの前でぴったり止まったそうだ。慌てて飛び起きた森さんが『誰だ!そこにいるのはっ!』とドアを蹴り開けたのだが、そこには誰もいない。すぐに秘書官に連絡を取ったが、当然のことながら誰かが公邸に入ってきたという痕跡もない。そこではじめて背筋がゾーーーッと寒くなったのだそうだ」

とつづった。また、岩屋氏のコラムによると、森氏から旧公邸の引き継ぎを受けた小泉氏は

「ハハハハハ。森さん、なに言ってるんですか。幽霊なんかいるわけないじゃないですか。俺はそんなのまったく信じないから怖いことなんかないよ」

と一度は強がったというが、

「公邸に引っ越す時にちゃぁーーんと神主さんを呼んでお払いをしていた」

そうだ。

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