2024年 4月 24日 (水)

海老蔵の女癖・酒癖…後援会員が慨嘆する「成田屋」困った血筋

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   今週の話題は「週刊朝日」の酒井法子インタビューと市川海老蔵の傷害事件に集中している。だが、言論表現の自由の観点から看過できない、『流出「公安テロ情報」全データ』(第三書館)の出版差し止めについて言及している週刊誌はほとんどない。

   内容についての詳しいことは省くが、1か月ほど前、警視庁内部資料と思われる国際テロ関係の膨大な情報がネットに流失し、その中には、テロリストの協力者として実名や写真まで出されてしまった人もいる。

   しかし、いまだに警視庁は流失した資料が本物とは認めておらず、この情報をそのまま掲載した本の出版に抗議することもしなかった。だが、名前を出されたイスラム教徒たちから出版差し止めの申し立てがなされ、東京地裁は、差し止めの仮処分命令を出した。

   版元は初版を完売したが、それ以降は仮処分を申し立てた人たちの情報が載ったページを削除し、販売を続けるとしている。

   これに対して、識者の間でも意見が分かれている。12月2日(2010年)付の朝日新聞で、専修大学山田健太准教授は「思想信条にかかわる、個人情報の中でも収集自体が禁じられている情報が含まれており、出版すべきでない内容だ」とし、上智大学の田島泰彦教授は「出版を差し止める仮処分命令は行き過ぎ」だとしている。

   また、内部告発サイト「ウィキリークス」で米外交文書が暴露され、世界中を震撼させている。これからこうした情報を日本語に訳し、出版するところが出てくることだろうが、日本の国益を損ねる内容が含まれていたとき、政府は出版差し止めに動くのだろうか。その時メディアは、どちらを支持するのだろう。

   私の個人的な考えだが、出版差し止めはなされるべきではないと思う。しかし、出版社は、出版するに値する情報かどうかを精査し、それが公共の利害に関する事実に係るもので、専ら公益を図る目的であるという丁寧な説明、できうる限り個人のプライバシーへの配慮をしなくてはならないこというまでもない。

かえって復帰遠のいたのりピー「綺麗事インタビュー」

   さて、のりピーこと酒井法子の独占インタビューに話しを戻そう。朝日は、「待望スクープ!50時間超」「日本中を席巻した事件の『真相』と、のりピーの『真実』とを独占リポートする」と謳っているが、内容は綺麗事に終始し、覚せい剤事件の「真相」はほとんど見えてこないのである。

   「週刊文春」は無視したが、「週刊新潮」は噛みついた。タイトルは「世紀のスクープ!? 『酒井法子』インタビューは『綺麗事』と『綺麗事』と『綺麗事』」。見事である。

   2009年8月2日、夫・高相祐一が覚醒剤所持の現行犯で逮捕されたとき、酒井は現場に行き、その直後に「逃走」して、6日間行方をくらませたことについて、〈逃げる、という意識では本当になかったと思います〉と語っているだけだ。

   薬抜きのためではなかったのかという疑惑には、これを書いた記者が〈薬物を体内から抜くための病院などには立ち寄っていない〉と断定している。これに対して、当時の朝日は、捜査関係者の話として〈駆けつけたのりピー自身は任意同行や尿検査を頑なに拒んだうえで、『子供がいるので、あとで必ず渋谷署に行く』と警官らに大芝居を打った〉と書いているのに、そのことの検証をまったくしていないと批判する。

   肝心の薬に手を出した動機と常習の理由についても、〈勧めてきた人が、自分のそばでいちばん信頼していた人だった〉。その後は、壊れかけていた夫婦関係をつなぎ留めておくためだったと「告白」しているだけである。

   〈断ち切ることができなかった。それが薬物の本当に恐ろしいところだと思います〉と解説するだけで、あとは〈申し訳ないと思う気持ちは少しも変わっていません〉と繰り返すだけだ。

   12月3日に、彼女の自叙伝『贖罪』が朝日新聞出版から発売される。朝日から本を出すことで禊ぎを終え、芸能界復帰を目論んでいるのなら、世の中を甘く見ていると思われてもしかたがない。

   酒井や周辺の人間たちの思惑とは逆に、芸能界復帰は遠のいた、そう思わざるをえない内容だった。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」で、編集長、代表取締役社長を務める
現在、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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