2024年 4月 19日 (金)

「福島の花火やめろ」に右往左往の市役所―事なかれ主義が招いた中止騒ぎ

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   今度は愛知県の花火大会だ。東日本大震災の復興支援がテーマだったにもかかわらず、福島県で作られた花火の打ち上げを直前に中止した。「放射能をまき散らす恐れがある」といった声が寄せられたためという。京都の五山の送り火でも、放射能をめぐって岩手県陸前高田市の薪が使用されず、後味の悪い結果を残したが、同じような事態となった。

「安全」説得するデータ準備せず

   この花火大会は愛知県日進市で18日(2011年9月)に行われた「にっしん夢まつり・夢花火」。今年で10回目。約11万人が訪れ2000発の花火が打ち上げられた。被災地の宮城、岩手県、それに福島県川俣町の業者による80発も打ち上げられることになっていた。しかし、メールや電話で約20件の抗議や苦情が寄せられ中止となった。

   川俣町は一部が計画的避難区域に指定されているが、花火業者のいるところは区域外だ。業者は「花火は屋内で仕込むものだから放射能の影響はないと思っている。忙しい最中に送ったのに非常に残念だ」と話す。専門家も「人が普通に暮らしているところなので、そんなに心配することはない」

   実行委員会も当初は問題ないと判断していたが、その根拠となるデータを持ち合わせているわけではなかった。市民の声の中には「それほど大きな危険性があるとは思わないが、当て推量ではなく、せめて花火を計測する程度のことができないのか」といった指摘もあった。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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