2024年 4月 26日 (金)

いつもの街も違って見える!活用広がる「3D地図」数センチの精度で地形読み取り

   3D(立体)地図をご存知か。たとえば渋谷。谷という名の通り、渋谷駅は谷の底にある。道玄坂は流れを遡る。NHKは高台の上――平面地図では見えない地形が浮かび上がる。これが宝の山なのだという。ただ、宝を見つけ出すには読解力がいる。「地図力」というのだそうだ。

   3D地図は航空レーザー測量で可能になった。レーザーの照射は樹木を突き抜け、数センチの精度で地表の形を読みとる。国土地理院はすでに日本の国土の50%近くの3D地図をネットで公開しているのだが、まだ知る人は少ない。

人工林日本一の佐賀県 樹木の1本1本把握して森林保全

   山梨県北杜市の大手飲料メーカーは年間5000万ケースのミネラルウォーターを生産している。原料は南アルプスの地下水だ。雨水は地下にしみ込んでミネラルを含む。山が荒れて地表を流れた水は原料にはならない。水質基準を満たす水を安定的に確保するには、水源である森林の整備が欠かせない。だが、広大な森林の現状把握は容易ではない。

   3年前から3D地図を活用して初めて詳細な地形がわかった。谷の一つひとつ はもちろん、尾根の上にも谷があったりする。崩壊など異変があっても、素早い対応が可能になった。「水がしみやすい健全な山を維持できる」という。

   人手が限られる林業の現場でも3Dは生きる。人工林の割合が日本一の佐賀県では、4年前に県全域の3D地図を作った。地形の凹凸だけでなく、特殊な解析を加えるとスギやヒノキがどこに何本あるかまで正確に把握できる。どこで間伐が必 要かも一目瞭然で、森林整備が順調に進んでいるという。

文   ヤンヤン
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