2024年 3月 29日 (金)

もう大人や政治家に任せておけない!『痛み』を言葉と行動で主張し始めた若者たち

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   内閣府が13歳から29歳を対象に行った調査で、「将来に明るい希望がある」と答えた割合は60%強で、先進国の中で最下位だった。アメリカ、スウェーデン、イギリスは90%超である。しかし、内閣府の別の調査では、20代の半数近くが、自分の生活の充実よりも国や社会に目を向けるべきだと答えている。面白い。「失われた20年」に生まれ育ち、成功体験を知らず、とかく内向きで、政治には無関心、社会の理不尽にも自分を責める若者たちにとって、この数字の根底にあるのは「痛み」である。

   昨年(2015年)8月、安保法案反対で国会を取り巻いたデモは、多い時で数万人と社会現象になった。明治学院大の奥田愛基さん(23)が10人ほどで始めた運動だ。投げかける等身大の言葉がネットで爆発的に拡散して、大人たちも年寄りも駆け付けた。

   東日本大震災のボランティア参加で社会問題に目が向いた。「それ以前は、社会を諦めていた。おかしいと思っても声をあげられなかった」という。

「誰も助けてくれないなら、自分たちで新たな仕組みを作る」

   非正規雇用の増加と雇用環境の劣化の中で、孤立する若者たちを助けているNPO法人「POSSE」がある。事務局の坂倉昇平さん(34)は「この20年で企業は利益のためなら、正社員、非正規、学生を問わず、若者を使い潰すのが当たり前になった」という。

   非正規の給料未払いなど、既存の労働組合では救えなかった若者たちにNPOは「ユニオン」を結成して、個別の直接交渉で改善策を引き出している。「安心して働き続けられなかったら、社会に対して活躍できる一番の基盤を失ってしまう。誰も助けてくれないなら、自分たちで新たな仕組みを作るしかない」

   先月発売された短歌集「キリンの子」はリアルな描写が大きな反響を呼んだ。セーラー服の歌人、鳥居さんの作である。母の自殺やホームレス体験などで義務教育さえ満足に受けられなかった。

   『揃えられ 主人の帰り待っている 飛び降りたこと知らぬ革靴』

   『駅前で眠る老人 すぐ横に マクドナルドの温かいゴミ』

「(痛みを)他人事だって思われたくないし、思いたくない。自分に引き寄せて想像してみるのは大事なことのような気がします」

   今月(2016年3月)、東京・渋谷と大阪で映画「人魚に会える日」が上映された。作ったのは沖縄出身の大学生、仲村颯悟さん(20)だ。映画の舞台は沖縄の架空の町。主人公は基地周辺に住む中学生だ。基地への賛成、反対を単純に割り切ることができない自分たちの複雑な思いを訴えている。仲村さんは「沖縄の問題じゃなくて、日本国民が同じように当事者として悩んでもらう状況になれば新しい切り口が開けていく」という。

   「痛み」はさまざまだ。これに響きあうのも現代の若者たちである。地域の再生に力をと28歳でNPOバンクを立ち上げた木村真樹さんは、名古屋・東海地方で新たな金融の仕組みを展開している。スタッフも20~30代の若者だ。「自分たちが望む未来は、お金の使い方次第だと気付いてしまった若者の集まり」と木村さん。

   「コミュニティー・ユース・バンク momo」は市民から1口1万円の出資を募り、子育て支援、有機農業などの試みに取り組んでいる団体、個人に融資している。これまでに1億3000万円を融資したが、貸し倒れは一つもない。融資先の「障害のある子どもたちのデイサービス」をしている社団法人は、地元の信用金庫の融資まで受けられるようになった。momoが作った評価基準は収益性だけでなく、地域への貢献なども含む。信金がこれを受け入れたのだ。

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