2024年 4月 16日 (火)

富士重の独自技術 ―トヨタは「消化」できるのか―

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トヨタが資本参加した富士重が誇る「水平対向エンジン」
トヨタが資本参加した富士重が誇る「水平対向エンジン」
 

  国内中堅自動車メーカーの富士重工業が、米ゼネラルモーターズ(GM)との資本・業務提携を解消し、新たにトヨタ自動車の出資を受け入れることになった。 富士重の企業価値は「技術力の高さと独創性にある」(業界筋)とされ、それをトヨタがどう使いこなすかが注目されている。
  GMが保有富士重株のうち、発行済み株式数の8.7%に当る6800万株を354億円でトヨタに譲渡。残る11.7%分の保有株は市場で売却して富士重がこれを買い入れる。GMの傘下から事実上、トヨタグループに「籍」を移し、その信用力の下で生き残りを模索する格好だ。

GMとの協業の成果は上がらず

  富士重は1999年12月にGMと資本提携した。それまで筆頭株主だった日産自動車仏ルノーの傘下に入り、資産リストラの一環として保有富士重株の売却方針を打ち出したことがきっかけだ。しかし、GMとの協業の成果は上がらず、当初期待された小型車共同開発などのプロジェクトもほとんど進展しないままに推移していた。
  前身は「中島飛行機」と呼ばれた航空機メーカー。国内では旧日本陸軍の一式戦闘機「隼」や、同海軍の迎撃戦闘機「紫電改」のエンジンを開発したことで知られる。トヨタ、日産がまだ海外メーカーからの技術導入に車づくりを依存していた1950年代でも、富士重だけは全くの独自技術で乗用車開発を行えるだけの実力を持っていた。現行車種に搭載されているエンジンも、世界では富士重と独ポルシェしか採用していない「水平対向エンジン」だ。

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