2024年 4月 26日 (金)

三井住友海上 トップ人事のからくり

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   三井住友海上は2006年7月21日、金融庁に業務改善計画書を提出し、受理された。実は、計画書の内容以上に注目されたのは秦喜秋会長の処遇だった。

   同社は今年2月末に植村裕之社長と井口武雄会長が退任し(株主総会後にはともに最高顧問に就任)、江頭社長と秦会長の共同CEO体制とするトップ人事を発表した。ところがその後に保険金不払い問題が発覚し、行政処分にまで発展した。

金融庁との駆け引きの中で、「苦しい選択」だった

三井住友海上は、金融庁に改善計画書の提出を求められていた
三井住友海上は、金融庁に改善計画書の提出を求められていた

   経営責任は植村・井口の旧トップが引き受けて会社を去るシナリオは当然の流れだが、むしろ焦点になっていたのは秦会長の経営責任の所在だった。と言うのも江頭社長は常務執行役員からの抜擢で、直接の経営責任は回避できる。ところが秦会長は副社長で実質的にはナンバー2から昇格。そのために「責任は逃れられないのではないか」と保険業界は見ていた。
   特に経営責任の明確化を求めていた金融庁が仮に秦会長の責任を追及し、退任にでも追い込まれれば執行体制を再考しなければならなくなり、人事バランスの崩壊にもつながりかねない事態になる。同社にとって秦会長を何としても死守しなければならなかった。
    そのためにとった措置が共同CEO体制の廃止と代表権の剥奪。会長職に専念させ、役員報酬についても月額報酬の100%を6ヵ月返上と役員関係の中で最も重い処分とし形で示した。金融庁との駆け引きの中で、苦しい選択だったことを匂わせている。

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