2024年 4月 18日 (木)

日本ビクター 名門復活の道のりは遠い?

VHSビデオの成功体験から抜け出せず

   かつて家庭用ビデオの世界標準を勝ち取ったVHSを生み出したビクターは技術重視の気質が強く、「VHSの成功体験から抜け出せず、最近のAV商品のデジタル化の対応に遅れた」(関係者)。次期社長の佐藤専務も「ビクターは、技術はすばらしいけれど、マーケティングが弱いといわれてきた。二つを両立させ、成長の原動力にしていきたい」と「営業重視」への転換を強調した。

   不振の原因は売上高の4分の3を占める家電事業だ。安くて大型画面が売りのリアプロジェクション(背面投射型)テレビは基幹部品を自社開発するなど力を注いできた。だが、薄型テレビの販売競争に巻き込まれ、主戦場の北米でプラズマテレビの低価格攻勢をかけられて落ち込んだ。

   倍速表示機能をいち早く搭載した液晶テレビも、技術の優位を販売拡大につなげられないうちに、ソニーシャープが同機能を採用した商品を投入してきた。それでも欧州中心に販売を強化し、前年度比6割増の年間130万台を目指しているが、生産規模が小さいビクターにはコストの競争は荷が重い。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中