企業戦国時代幕開け TOB前年の1.5倍に急増
2007.07.13 11:22
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最大の特色は「投資ファンドの積極的な動き」
しかし、今年になって手掛けられたTOBの最大の特色は「投資ファンドの積極的な動き」(市場関係者)といえる。
スティールはブルドックソース、天龍製鋸と相次いでTOBを仕掛け、経営側はいずれも反対を表明した。ブルドックは買収防衛策の導入を6月の株主総会にはかって、3分の2以上の特別決議で可決。スティールが防衛策発動を阻むために法廷闘争に持ち込むなど、国内ではあまり例のない敵対的買収になっている。
また、ダヴィンチはテーオーシーにTOBを提案したが、これをきっかけに、テーオーシーが予定していたMBOが不成立に終わり、MBOが経営者の意志だけでは成功しない現実を知らしめた。
TOB急増と表裏の関係として、株主総会での投資ファンドの活発な動きも目立った。増配や取締役選任などの株主提案が相次ぎ、経営者は株主から経営の改善を強く迫られ、結果として改善の方針を示すケースも出た。
投資ファンドを中心とした株主に対し、経営者がしっかりと説明責任を果たすことの重要性がこれまで以上に強まっている。