2024年 4月 26日 (金)

少年審判への遺族傍聴 法改正に賛否両論

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被害者側は「真実を知りたい」

    国会には、被害者側の審判傍聴を認める少年法改正案が提出されている。日弁連では、調査した事例をもとに、少年法改正に反対していく構えだ。

   その理由について、日弁連人権第一課では、次のように説明する。

「被害者側が入廷すると、少年が萎縮してしまって、本当のことを言わなくなってしまいます。また、審判廷は刑事法廷より狭いので、被害者側が少年に暴言を吐いたり、手を出したりしやすくなります。少年が萎縮してしまっては、真実を知りたい被害者側にとっても望ましくない事態でしょう」

   このほかの弊害としては、被害者側から侮辱されると、少年が頑なになり、裁判官が更生のために少年を諭すことなどがしづらくなることを挙げる。実際、逆送された大阪の殺人事件では、公判中に傍聴席の被害者遺族からヤジが飛び、少年は頑なになって、自己防衛的なことばかり述べるようになってしまったという。

   また、被害者の思いとは落差のある少年の発言などによって、被害者側が逆に傷つくことも多いとしている。

   とはいえ、日弁連内には、法改正に逆に賛成する弁護士もいる。傘下にある全国の52弁護士会のうち、改正に反対しているのは、まだ30に留まっている。「被害者側の弁護士は、傍聴を認めるべきだと主張しています。残りの弁護士会にも反対表明をするようお願いしていますが、全部がそろうのはなかなか難しい」と人権第一課は明かす。

   法改正を支持している全国犯罪被害者の会「あすの会」(代表幹事・岡村勲弁護士)では、2007年11月25日に開いたシンポジウムで、「被害者等が希望する場合は、少年審判の傍聴ができるようにすること」などとうたった大会決議を行った。

   その理由として、同会では、被害者側が真実を知りたくても、審判記録の閲覧・謄写が制限され、少年や両親への質問すらできないと主張。刑事裁判となった場合と少年審判となった場合では大きな差別があるとして、「これでは、犯罪被害者等の犠牲の上に加害少年の健全育成をはかっていると言われても仕方がない」と断じている。

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