2024年 4月 19日 (金)

新築マンション値崩れ始まる 千葉県すでに2004年の水準

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在庫処分しないと借金が返せない

   ある不動産業界の関係者は、新日鉄都市開発と東京建物が07年7月から販売していた「ココロコス東京久米川」(東京都東村山市、406戸)の値引きが、「いまの在庫解消に向けて動き出したきっかけになった」とみている。この物件は08年1月、たとえば当初3158万円の3LDKが2350万円に引き下げられるなど、20~25%程度を一斉値下げした。

   新日鉄都市開発は「今年3月の竣工だったので販売のスピードアップを図りたかった」と値下げの理由を説明。値下げ効果もあって、5月末時点でほぼ完売した。

   「ココロコス東京久米川」の値下げ以降、マンション大手は値下げの機会をうかがう一方で、都市部でも地価下落がはじまり在庫問題は深刻になってきた。いま売り出し中の物件や抱えている土地などは地価が上昇局面にあったときに購入したものが含まれており、建築コストは高止まりしたまま。そのため、売り出し当初から値下げすることはむずかしい。

   マンション業者は一般的に、売った資金で銀行への借金をいったん返済し、新たに融資してもらって土地の購入・着工するのがパターンになっていて、マンションが売れないと借金が返済できない事情がある。前出の不動産関係者は、「借金返済が滞ってきて、貸し渋りにあっている業者もあると聞いている」と証言。多少値下げしてでも早めに売ってしまいたいとの思いに大きく傾いているわけだ。

   新規供給の落ち込みをみても在庫処分に注力していることがわかるし、資金余力のあるマンション大手は値下がりした土地を購入して、そこに新築物件を建てて安く販売することで市況の回復を待つといった対策を立てている。

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