2024年 4月 17日 (水)

ネット上の言葉遊び「縦読み」 トヨタ批判新聞コラムで使われた

「社名を隠すわけではなかった」

   縦読みを除けば、コラムでは名指しされなかったトヨタ自動車九州。ところが、同社の広報担当者は、その内容に怒り心頭の様子なのだ。

   「われわれとしては、事実誤認だと考えています。事件については、福岡県警から説明するので話さないように要請があり、当初はマスコミへの対応を警察に一本化していました。警察の捜査に関わる案件は、被害者からは軽々に言える立場ではありませんから。ですが、広報担当者は事件現場に出向いており、捜査関係以外の質問についてはきちんとお答えしています。『言えません』の一点張りで対応したことはありません」

   その後は、県警と調整し、ある程度、事実関係を話すことの了承を得て、マスコミにも説明しているという。

   起工式の非公開については、「ハイブリッド車の部品を生産しており、機密性、安全性などを総合的に勘案して決めました。しかし、マスコミに対しては、時期を改めて、この秋にも工場をお披露目することにしています」と話す。そのうえで、「説明責任は果たしていると考えています」と断言した。縦読みについては、「こちらが答える立場にはありません」としている。

   縦読みは、文章とまったく逆の意味を持つ言葉を織り込む場合が多い。とすると、批判とは裏腹に、トヨタへの配慮だったのか。そして、その試みは失敗したということなのか。

   コラムを書いた西日本新聞社のデスクは、「トヨタの社名を隠すわけではなかった」と配慮を全面否定。そのうえで、縦読みの狙いを次のように説明する。

「企業はきちっと誠実に対応するのが筋で、トヨタだけの問題ではないということを表現しようと考えました。ちょっと目を引き付けるやり方にしたかったこともあります。言葉遊びの本を読んだのがきっかけです」

   事実誤認との指摘については、「それはトヨタさんの見解で、解釈の違いだと思います。説明責任を果たしていないとは言っておらず、もっと考えてほしいと言っているだけです。事件のときに聞くのは、その絡みを確かめたいからです。ちょっとでも関係あると説明もダメというのは、頑なな姿勢だと思います」と反論している。

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