2024年 4月 28日 (日)

「指標など当てにならない」REIT 破たんするかどうかの分かれ目は?

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REITの「突然死」防げるかは出資者しだい

   とはいえ、NCRの破たんはあまりに突然だった。しかも、破たんの理由は「銀行からの借り入れなどによる資金調達が滞ったため」(NCRの新井潤代表)と、またしても銀行の「貸し渋り」だ。

   ところが、それよりも「株価が下落して、増資できなかったことが大きい」と山崎氏は指摘する。銀行は増資できないようなREITでは「融資の返済もむずかしい」と判断するからだ。

   REITは「出資者」(エクイティ)が投資法人を支える仕組み。投資法人自体は、投資判断を運用会社に委託しているし、社員はおらず、3~5人の役員しかいない。内部留保もないし、投資家から集めた資金はそのまま不動産物件に投資する。

   山崎氏は、「NCRも維持しようと思えば維持できました。それは出資者、すなわち投資家が自ら買い支えて増資することです。それをしなかったために破たんしたともいえます」と説明。NCRは、増資できないために銀行の融資が受けられず、そのため物件が購入できずに違約金が発生。その支払いに困り、ついには破たんしたわけだ。

   そうなると、一連の「パニック売り」は、株式と同じ感覚でREITに投資している個人投資家が、「下落ムード」にまかせて売っていて、それが自分たち所有の物件価値を押し下げていることに気がついていないことになる。いわば、投資家は自分で自分の首を絞めているわけだ。

   「いまや日本ビルファンドなどでも、主要投資主の三井不動産が買い支えなければならないほど。ここまで来ると、結局なんの指標も意味もなさない。買い支える投資家がいて、投資法人の代表が、もっと頑張ってみようというやる気を失わせないことができるか否かが分かれ目です」(山崎氏)と、お手上げ。生死の分かれ目は、多くの投資家一人ひとりにあるということか。

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