不況で消費者の「低価格志向」が進む中、韓国産の「第3のビール」が人気だ。1缶90円以下と国産より30円以上も安いだけでなく、「味も国産とそれほど変わらない」(輸入業者)とのことで、大手量販店では売上が3倍近く伸びたところもあるという。「安いモノが売れる時代になった」出荷量が倍増したという「プライムドラフト」韓国産の「第3のビール」はいくつか日本に入ってきている。一部上場の商社「ドウシシャ」は08年6月に、韓国で業界2位の「OB」と協力し、第3のビール「麦之助」を発売。09年1~5月の目標出荷8万ケースに対して、11万ケース以上出荷しており、目標を4割程度上回るペースだという。川商フーズが2004年に発売した「プライムドラフト」も好調だ。韓国最大手のビール会社「ハイト」と共同で開発したもので、発売から5年近く経つが、ここにきて人気に火が付き、08年度の出荷量が07年度比倍増したという。同社役員は「(不況で)安いモノが売れる時代になった」と見る。また、洋酒輸入業を行っている「アクサス」も08年1月に韓国の第3のビールを自社ブランド「こだわり凛麦(りんむぎ)」として販売開始。こちらも、年間30万ケース出荷と「予想以上の売れ行き」だという。実勢価格は85~100円とのことだが、同社担当者は「安いということだけでなく、味も国産とそんなには変わらないと考えております」と話している。09年に入ってからは、前年の2.5~3倍のペース大型量販店のドン・キホーテでは、店舗によっても異なるが、プライムドラフトと麦之助を1缶88円、1ケース(24缶入り)だと1980円で販売している。国産だと1缶128円、1ケース2580円くらいなのでかなり割安だ。同社では05年頃から韓国産第3のビールを取り扱いはじめ、08年から全国の店舗で販売している。広報担当者は、「08年8月頃から伸び始め、09年に入ってからは、前年の2.5~3倍のペースで売れています。都市部よりも郊外の店舗で好調で、主婦の方が家で飲む用に多く買って行かれるようです」と話す。また、首都圏でスーパーを展開している「オザム」でも、扱っている「麦之助」が09年に入ってから08年の2割り増しペースで売れているとのこと。こちらも1缶88円だが、同社は、「安いこともありますが、発売されてから2年目ということで、お客様にも認知されてきているようです」と話している。
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