ネット検索で「重病だ」と思い込む 「グーグル症」患者が医者困らせる

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「ネットと違う治療法だから治らない」

   日本でも「グーグル症」は見られるようだ。ある大学病院に勤務する耳鼻科医に聞くと、診察を受ける前にネットで「自己診断」する患者は珍しくないという。声枯れに悩む中高年の患者がネットで調べた後に病院を訪れ、「喉頭がんではないでしょうか」と切り出してきたり、「私がネットで調べた治療法と違うから、治るのが遅いんじゃないですか」と文句を言われたりというのはよくあるそうだ。

   顔面神経マヒで苦しむ子どもを連れてきた母親も、この耳鼻科医にかかる前に病状や対処法をネットで調べていた。さらに母親は、ネットを介して別の医師に相談していたという。だが、母親から医師に対しての病状説明が不十分、不正確だった。医師からはメールで対処法のアドバイスがあったものの、「一度専門医に診せてください」と書かれていたという。

   母親は、そのアドバイス内容と実際に診察した耳鼻科医の治療法が少し異なるのを見て、「違うやり方のようですが大丈夫ですか」と不安な様子を見せた。「心配だったのか3、4日連続で病院に来られました」と耳鼻科医は振り返る。

   「グーグル症」に有効な対応策はあるのか。この耳鼻科医の場合、「医学の本や論文を見せて、自分の治療法が正確で経験に基づいたものだと丁寧に説明しました」。患者の不安を取り除くことが何より必要だと考えているという。耳鼻科医自身は、患者がネットで自分の病気の情報を集めるのは悪いとは思っていない。「しかし、自己判断で決め付けるのは危険。ネット検索に時間を費やすなら、早く医師の診察を受けて適切に処置してもらうことを勧めます」

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