2018年 7月 20日 (金)

日テレが定期昇給廃止へ 「テレビ業界初」に激震走る

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   日本テレビが、労組側に事実上の定期昇給廃止となる新賃金制度を示して、業界に激震が走っている。労組側はこれに反発してストに入ったが、関係者は、テレビ各局に今後賃下げが広がる可能性を明かしている。

「仕事が普通の評価なら、昇給がストップすると聞いています」

民放労連「日テレ給与水準は、2~3割減る」

定昇廃止提案に揺れる日本テレビ
定昇廃止提案に揺れる日本テレビ

   全労連系の民放労連の本部では、日本テレビが2010年3月に労働組合に示した衝撃的な賃金制度の内容をこう明かす。

   それによると、この制度では、昇給ペースを抑制し、残業単価を切り下げており、局側は、7月の導入を目指していた。

「仕事で高い評価を取らないと、社員は昇給しないということです。それは、トップのほんの数%だけになります。いわば定昇廃止に近いものですよ。給料は据え置かれ、残業代は下げられてしまう。だから、給与水準は、2~3割減ることになると思います」

   民放キー局でも、このテレビ不況で、ボーナスの大幅カットは普通に行われている。TBSでは、赤字転落に備えて、09年3月に2~3割カット案が提示され、労組が全面ストに突入したことがある。大阪のテレビ局でも同時期に、同様なボーナスカット提示が行われた。

   ところが、民放労連本部では、「今回の措置は、賃金制度そのものを根本から変える提案」だと言う。今のところ、ほかのキー局でこうした動きはないものの、今後、各局に波及する可能性があるというのだ。

   日テレ側は、新賃金制度の導入について、広告不況やメディア多様化で、民放がどんどん厳しくなるという理由を挙げた。同局の氏家齊一郎会長も、折に触れて、民放5系列のうち生き残れるのは2つ、3つだけだと述べている。

高給取りの指摘の中でも、24時間ストに突入

   日本テレビは、一時赤字に転落したものの、その後黒字となり、2010年4~6月期連結決算で、純利益が2倍近くの大幅増益になった。番組の間に流すスポット広告が回復したためだ。

   こうしたことから、労組側は、増益するなど業績は回復しているとして、新賃金制度に「不利益変更だ」と反発。5月に2時間のストを行い、局側も7月導入を見送って、8月31日に再度交渉した。

   しかし、それでも労使が合意しなかったことから、労組が9月1日正午から24時間ストライキに入った。民放労連本部によると、先ごろ終わった24時間テレビとの関係は分からないが、この一大イベントが終わったのでスト入りしたという。同本部では、「各局に波及させないようにするためにも、日テレ労組を支援しています」と話す。

   もっとも、民放キー局といえば、規制で手厚く守られ、相当な高給取りで知られる。日テレも、東京商工リサーチの調べで、東証1部上場の高給企業ランキングで09年度は11位に入っている。40歳で1200万円以上の給料があるというのだ。

   そんな中で、なぜストまでして抵抗するのか。不況にあえぐ制作会社など下請けの待遇改善も重要との指摘もあるが、どうなのか。

   民放労連本部では、「高給取りと言われますが、今回は、大幅な給料カットの提案で、とても厳しい内容でした。制作会社などを支援するという話なら別ですが、そこへの報酬額も下げています。しかも、われわれの賃金もカットするということですからね」と話している。

   日テレの総合広報部にも取材したが、担当者が多忙とのことだった。

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