2024年 4月 27日 (土)

「グラスゴーの奇跡ではない」  五輪男子サッカーはメダル狙える位置に

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   五輪男子サッカーで、日本代表が金メダル候補とされるスペインを撃破し、日本のスポーツ紙から「グラスゴーの奇跡」と讃えられた。しかし、この見方には、サッカー関係者らから疑問の声も出ている。

   ジャイアント・キリング、ビッグ・サプライズ――。日本代表が男子1次リーグD組初戦で、強豪スペインを1-0で下すと、海外の各主要紙は、こんな見出しなどでその快挙を報じた。

ネット上では、もっと得点できたはずとの声強く

   これを一言で言うなら、「番狂わせ」ということになる。

   スペインはこのところ、2010年にW杯で優勝したほか、12年にはユーロ連覇を達成し、最強との呼び声が高かった。五輪チームにも、そのときのメンバーが加入しており、海外主要紙でも、日本の勝利を予想する記事はほとんどなかった。

   ところが、日本は、前半34分に右からのコーナーキックをFW大津祐樹選手(22)が右足で決めて先制すると、そのままスペインの猛攻を抑えて、逃げ切ってしまったのだ。

   この快挙について、日本のスポーツ紙は、イギリスの開催地名を取って「グラスゴーの奇跡」と大見出しを打った。1996年のアトランタ五輪で、日本が優勝候補のブラジルを破ったときは、「マイアミの奇跡」と呼ばれた。今回の命名は、そのことを意識したもののようだ。

   とはいえ、日本は、スペインにボールを支配されていても、隙を見て反撃し、後半は、再三決定的なチャンスを作っている。それだけに、ネット上では、もっと得点できたはずとの声が強く、日本の勝利が「奇跡」という見方には疑問も出ている。

   サッカージャーナリストの後藤健生さんも、スペイン撃破を「奇跡」とは見ない立場だ。

「日本はむしろ『順当勝ち』した」

   「確かに、アトランタでは、ブラジルと一方的な差があり、日本の勝利は、奇跡でしかありませんでした。しかし、今の日本は、そのときより強豪チームとの差がはるかに小さくなっています。スペインは、ユーロなどでは、シャビとイニエスタという2人の天才がいるから強いんです。五輪のチームは、2人がいなくても日本より力が上ですが、パスをつなぐ技術があっても、シュート力のあるフォワードがいません。アトランタのときほどの大きな差はなく、日本の勝利は、『番狂わせ』ではあっても、『奇跡』ではありませんよ」

   後藤健生さんは、日本はむしろ「順当勝ち」したのだと言う。

「日本は、パスをつなぐスペインに対し、守りのプランができていました。俊足フォワードの永井謙佑らが、スペイン選手の前から追いかけて再三ボールを奪うなど、守りがとても堅かったわけです。さらに、押し込まれても、オーバーエイジ枠で入ったディフェンス吉田麻也らの最終ラインも安定していました。再三のチャンスがあったので、あと2、3点は取れたと思います」

   次のモロッコ戦、ホンジュラス戦でも、日本はこの勢いで勝つことができるのか。

「モロッコは守備が弱いですし、日本の守備も立ち直っていますので、きちっと戦えば負けないでしょう。ホンジュラスは、日本が当たる3チームの中では一番弱いと思います。スペイン戦で日本が決定的チャンスをものにできなかったのは、キーパーがうまかったこともあります。枠を狙い過ぎたところがあり、もう少し打てるときに打つようになればいいでしょうね」

   1次リーグを突破すれば、メキシコ五輪以来44年ぶりのメダルが狙える位置に来る。

「スペインを破ったので、日本はどこと戦っても五分に近い力があることになります。メダルの可能性は、何割かあると思います。コンディションがいい方が勝つことになりそうですが、日本は、たくさんチャンスを作るしかないですよ」
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