2024年 4月 19日 (金)

サーブ「わざと」ミスの応酬、勝って笑顔なし バドミントン女子「無気力試合」の一部始終

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   ロンドン五輪のバドミントン女子ダブルスで、韓国や中国など計4組が「無気力試合」を理由に失格処分を下された。

   試合では、お互いがわざと負けようとしているとしか思えない不可解なミスを連発。世界ランキング上位のペアが、なぜこんな「愚行」に走ったのか。

審判員の警告を無視、観客はブーイングの嵐

世界ランキング上位ペアが失格(写真はイメージ)
世界ランキング上位ペアが失格(写真はイメージ)

   中国の王暁理選手・于洋選手ペアは世界ランキング1位。対する韓国の鄭景銀選手・金ハナ選手ペアも同8位だ。英国時間2012年7月31日に行われたバドミントン女子ダブルスの予選リーグ、両組とも既に決勝トーナメント進出を決めているとはいえ、観衆はトッププレーヤー同士のプライドがかかった息詰まる熱戦を期待していただろう。

   ところがふたを開けてみると、試合としてすら成立しないお粗末プレーの連続だ。開始直後、韓国ペアのサーブを中国の選手があっさりとレシーブミス。しかもわざとコート外に出そうとしているように見えるほど、あらぬ方向にラケットを向けている。ランク首位とは思えない凡プレーだ。

   試合が進むにつれて、ますます奇妙な展開となる。中盤、リードする韓国ペアが、サーブを簡単にネットに当てるミスで相手に得点が入る。するとサーブ権を奪った中国もまた、サーブがネットを超えない。「負けじ」と韓国も、不必要に大きく打ったサーブがラインをオーバー。中国はまたも、サーブをネット手前に引っ掛けてポトリ――。最初は「あーあ」とため息が聞こえていた観客席からは、次第に失笑が漏れ出し、とうとう不満の声があちこちで上がり始めた。たまらず審判員が両チームの選手をコート中央に呼び寄せ、「このまま勝負をしないのなら、失格もあり得る」と厳重に注意した。

   それでも双方とも、この警告に耳を貸さない。再開後の最初のプレーでは韓国ペアのサーブがようやく入り、中国ペアが軽く返す。ところが韓国側の前衛の選手は右腕を伸ばしただけで動こうとはせず、安易にポイントを許した。今度は中国ペアのサーブ、「お返し」とばかりにまたも失敗だ。ミス合戦を繰り返した末に試合は韓国ペアが勝利。だが世界ランク首位を破ったにもかかわらず、2人の選手は二コリともしない。負けた中国ペアも無表情のまま。収まらないのは、終始やる気のないプレーを見せられた観客だ。淡々とコートから引き上げる選手たちに、ブーイングの嵐を浴びせた。

   もうひとつの韓国チーム、河貞恩選手と金ミン貞選手のペアも、インドネシアのメイリアナ・ジャウハリ選手とグレイシア・ポリー選手のペアと、同様の無気力ゲームを演じた。両ペアとも、コート上で自分の立ち位置から動こうとせず、シャトルに手が届かなければ「知らん顔」なのでラリーが全く成立しない。たまりかねた主審が、選手に失格を告げる「ブラックカード」を突き付けようとしたほどだ。

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