2024年 4月 19日 (金)

雑誌電子版が「紙版」より高額な米国 日本でもそんな日がやってくるのか

国内の雑誌広告費は「右肩下がり」

   国内でも米国と同じようなことが起きているのだろうか。オンライン雑誌販売サービス「Fujisan.co.jp」で、紙版と電子版の購読料の違いを調べた。

   例えば「週刊東洋経済」の場合、1年50冊の定期購読で紙版2万7200円、電子版2万4000円となっている。ほかにも「ニューズウィーク日本版」や「週刊朝日」、ファッション誌「ヴァンサンカン」をはじめ、年間購読した場合は電子版の方が紙版よりも安い雑誌が今も多数派のようだ。

   これに対して「プレジデント」やサッカー誌「フットボリスタ」のように、年間購読で紙と電子が同額というケースもあった。電子版の方が明確に割高に設定されていたのは「文藝春秋」だ。また紙版を定期購読すると割引価格が適用されるが、電子版には値引きなしのため、計算すると結果的に電子版が高くなる雑誌もある。

   例えば毎日新聞社発行の「エコノミスト」は、紙版を年間49冊契約で17%割引が受けられるため、購読料は2万6500円だ。ところが電子版には同様のサービスがサイト内に見当たらない。1冊600円の電子版を49冊購入すると2万9400円と紙版の価格を超える。「日経ウーマン」も同じく、紙版12冊を年間購読すると6300円、これに対して電子版は1冊550円で、12冊購入で6600円となる。WSJが指摘したコスモポリタンのように、出版社側が電子版を「割高設定」したわけではないようだが、紙版より高くなるのは事実だ。

   電通が毎年発表する「日本の広告費」を見ると、雑誌広告費は直近となる2011年で2542億円だが、過去数年間は「右肩下がり」で落ち込んでいる。日米では事情が違うとはいえ、広告収入に厳しさが増しているのは共通しているようだ。国内でも米国のように今後、電子版による購読料収入のテコ入れのために出版社が値上げに動く可能性もあるだろう。

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