2024年 4月 23日 (火)

連合会長、賃上げになぜか評価避ける 「わけわかんない」と疑問相次ぐ

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   連合の古賀伸明会長が、一部企業の賃上げについて評価するのを避けている、と報じられた。アベノミクス絡みであることを意識したようだが、労組なのになぜと疑問が出ている。

   コンビニ大手のローソンが、若手社員に対し年収の3%に当たる追加ボーナスを決めるなど、このところいくつかの企業で賃上げの動きが報じられている。

アベノミクス絡みを意識していたようだが…

   長引く不況にあって、労組にとっては久々の朗報なはずだ。しかし、朝日新聞の記事によると、連合側には喜ぶ気配がないというのだ。

   記事では、古賀伸明会長が2013年3月7日の定例記者会見で、こうした賃上げについて、「政権への親和性が強い企業の動きだ」と発言したとした。まるで他人事のようで、揶揄しているとも受け取られかねないが、記事によると、古賀会長は賃上げについて直接の評価を避けてこの発言になった。

   連合側はどうやら、支持政党ではない自民党政権の要請で賃上げが実現したことを意識しているらしい。連合内部や傘下労組からも、賃上げなどは労使間で決めるものだと反発が出たとのことだった。

   連合について、麻生太郎財務相は賃上げ要求が消極的だと指摘していたが、古賀会長はこれに反論することもなく、「コメントする気はさらさらない」と述べた。記事では、古賀会長は不快感を示したとしている。

   これに対し、ネット上では、労組が賃上げを素直に喜ばないことに驚きの声が上がった。「もはや誰のための組織だかわけわかんないな」といった反応だ。

   麻生氏が賃上げの交渉を経団連と直接するなどして連合潰しに動いているとも報じられていることから、「自分たちの領域が侵されて気分害している」という指摘もあった。また、自民党政権が解雇規制緩和を進めていることを連合側が面白く思っていないからではないか、との憶測も出ている。

連合の存在意義が問われかねない事態に

   人事コンサルタントの城繁幸さんは、古賀伸明会長の発言について、こうみている。

「賃上げの動きは、政治的パフォーマンスだとみて言っているんだと思います。アベノミクスで企業に若干利益が出たとしても、人件費が上がるとほとんど意味がありません。本来なら、景気がよくなって初めて賃金が上がるものですから。古賀さんは、今回の動きが茶番だと分かって、ああ言っているのではないですか」

   とはいえ、自民党が労組の役割を演じてしまえば、自分たちの存在意義がなくなることになりかねない。支持政党の民主党は、維新の会などとの連携をにらんでか、細野豪志幹事長が連合に距離を置く発言もしている。

   そんな中で、連合の立場がますます悪くなる可能性も出てきたのは事実だ。

   城繁幸さんは、連合の今後について、こう言う。

「もともとそんなに存在意義があったとは、私は考えていません。連合も1枚岩ではなく、寄り合い所帯に過ぎず、権力もそれほどないとみられます。加入者が減っているのも、役に立っていない面があるからでしょう。今回の動きから、そのことが分かっていいとさえ思っています。むしろ、解雇規制の緩和が進み、労働市場の流動化が進むと、企業横断的な労組として役に立つ可能性が今後はあるのではないでしょうか。それができなければ、今度は存在意義を問われることになると思います」
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