大胆で効果的な内容が突然出てくるはずはない アベノミクス「第三の矢」に新味は少ない

規制緩和が十分かについては疑問

   法案は全体として、企業の国際競争力の強化や成長が期待される新規事業の拡大・促進を狙っているが、成長戦略を具体化するための規制緩和が十分かについては疑問が少なくない。実際、政府関係者からは法案の中身について、「厳しい経済環境の中でこれまで検討されてきたものがほとんどで、大胆で効果的な内容が突然出てくるはずもない」と、さして新味がないことを認める。注目の企業実証特例制度についても、複数企業による取り組みが前提となるなど、どこまで大胆な改革に道を開けるかは見通せない。

   政府が6月に策定した成長戦略はそもそも、大規模な規制緩和が必要と指摘され続けてきた農地の企業保有自由化や労働規制改革などが盛り込めず、市場の失望を買った。アベノミクスの第一、第二の矢の効果には限界があり、第三の矢こそがアベノミクスの成否を決めるという現実の中、強化法案をより実効性の高いものにすべきとの期待は高まっている。

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