2024年 4月 25日 (木)

都市の老人、「終の棲家」はどこに? 杉並区が伊豆に「特養」、80人の収容めざす

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田舎に福祉施設ができれば地元に雇用が生まれる

   受け入れる静岡県と南伊豆町には雇用増など期待がある。厚労省が3月にまとめた自治体アンケートで、回答した約850のうち90超が「高齢者施設を誘致したい」と回答。東京都民専用の特養を町内に建てようと2010年から2度、国へ特区申請してきた山形県舟形町(いずれも却下)はその代表格。奥山知雄町長は「100名の施設を造れば、雇用が80人生まれる。企業誘致は厳しく、一番即効性のあるのが福祉だ」と訴える。

   ただ、現行制度のままでは簡単に実現しない。国の指針で、都道府県は特養などの施設を、区域(老人福祉圏)ごとに設けた枠内で整備する必要があるからだ。東京23区の場合、7区域に分け、そのエリア内で施設整備するということだ。

   確かに、特養には「住所地特例」で入所前に住んでいた自治体が運営費を負担する仕組みがあることはある。ただ、介護保険法に基づく厚労省令で、特養の入所者は「地元住民を優先させる」としているため、実際には「杉並区民のための施設」は簡単ではない。

   さらに国民健康保険料や生活保護費の負担問題が出てくる。入所できた場合に住民票を町に移すことになるが、国保保険料は、74歳までは杉並区が負担できるが、75歳になって後期高齢者医療制度に移行した場合は南伊豆町負担になる。入所者が生活保護費を申請した時の負担は静岡県になるなど、課題が山積する。

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