2024年 5月 4日 (土)

再生エネの「本命」風力発電 日本でなかなか普及しない理由

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構造物や羽などが落ちる事故が続発

   また、経産省と資源エネルギー庁の委託事業として、世界初の浮体式洋上風力発電設備「ふくしま未来」を開発した。土台から先端までは超高層ビルに匹敵する約120メートルの高さがあり、総重量約2500ト ン、長さ約40メートルの羽根3本を回し、最大出力は2000キロワット。発電した電力を高圧に変換して陸上まで送るための変電設備「ふくしま絆」も併設、こちらも海中に沈む部分を含め高さ100メートルを超える。海底ケーブルを東京電力広野火力発電所(同県広野町)につなぎ、東北電力を通じ、約500~600世帯に電力を供給する予定で、11月11日に運転を開始した。

   風力発電は近年、世界で利用拡大に伴って事故も増えている。日本でも3月に京都、4月に三重、9月にも北海道で、それぞれ上部が折れてナセル(発電機などの構造物)が丸ごと落下したり、ブレード(羽)などが落ちたりする事故があった。また、風力と潮流による発電が同時にできる世界初のハイブリッド発電装置が、香川県から実験を行う佐賀県唐津市沖へ輸送中、福岡県の門司港沖で水車部分が海中に落ちる事故もあったばかり。

   技術的な問題も含め、課題は少なくないが、福島沖洋上発電が事業者決定から1年半の短期で漁業者らの同意を得て稼働するところまできたのは、国が前面に出て推進したからこそ。再生エネの普及には条件整備を含め、官民の緊密な連携が不可欠だ。

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