2021年 5月 19日 (水)

不運の高梨沙羅、「追い風」に負けた 風向きによる点数加算も微々たるものだった

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   ソチ五輪でメダル獲得は確実と思われたジャンプ女子ノーマルヒルの高梨沙羅選手(17)が4位に終わった。今季ワールドカップの成績は13戦10勝で、他の選手を大きく引き離していたのに、五輪本番で何があったのか。

   テレビ番組でジャンプの解説をした五輪経験者らは、風の影響が大きかったと口をそろえる。不利な条件の追い風の中で2回のジャンプを飛んだからだ。

船木和喜「結果が出なかったのは風のせいです」

   スキージャンプは獲得したポイントで順位が決まる。飛距離を点数化した「飛距離点」と、飛ぶ姿勢の美しさの「飛型点」を合計したものがポイントだ。着地時の姿勢も重要で、両脚を前後に開いて両腕を左右に広げる「テレマーク」という姿勢ができないと減点対象になる。

   高梨選手は1回目に100メートルで3位につけ、2回目で逆転を狙ったが98.5メートルと飛距離が伸びず、合計得点は243.0点でメダルを逃した。一方、ワールドカップで最高2位だったドイツのカリナ・フォクト選手は、1回目97.5メートル、2回目103メートルで合計247.5点を取り初代女王に輝いた。「メダルは確実」とされていた高梨選手の点数が伸び悩んだ原因はどこにあったのか。

   2014年2月12日放送のテレビ朝日系「モーニングバード」に出演した長野五輪スキージャンプ金メダリストの船木和喜氏は「結果が出なかったのは風のせいです」と断言する。

「風がころころ変わる難しい状況だったんですよ。ゲートを下げたりいろいろな作戦がありますけど、それを使えないほどの状態だった」

   ジャンプでは向い風だと飛距離が出て有利だとされ、反対に追い風だと思うように飛距離が伸びない。船木氏は、今回のような悪い状況だと通常は5メートル分の影響が出るが、高梨選手の技術があったから100メートルに到達したと解説した。

   ただし、悪条件の中で飛距離を伸ばそうと、着地ぎりぎりまで我慢して攻めた結果、着地時の「テレマークが入りづらくなった」。飛距離を取るべきか、テレマークを取るべきかの一瞬の判断が要求されたようだ。

   飛距離を稼いだ代償としてテレマークを失敗した分、「飛型点」でメダル獲得選手との差が開いた。高梨選手は1回目51点、2回目50点の計101点だったのに対して、フォクト選手の飛型点は計106点、2位イラシュコ選手は103点、3位マテル選手は111点、といずれも上回っている。

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