2024年 4月 26日 (金)

過積載や「船体改造」は利益至上主義のせい? セウォル号事故に潜む韓国経済「負の構造」

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船長や航海士、操舵手、機関士らは15人中9人が契約社員

   さらに、乗客を助けずに脱出した船長のイ・ジュンソク容疑者(68)が契約社員であったことも判明。朝鮮日報(4月21日付)などによると、イ容疑者は高齢のため、セウォル号の運航会社である清海鎮海運との1年契約だった。月給は270万ウォン(約27万円)で、年収ベースで3240万ウォン(約324万円)。これは他の運航会社の60~70%という。

   清海鎮海運に勤める全乗務員の半数以上が6か月から1年の契約社員で、なかでも「船舶職」と呼ばれる船長や航海士、操舵手、機関士らは15人中9人が契約社員だった。

   日本では、船長の年収はおおむね1000万円を超えるというから、待遇の差には驚くばかり。もちろん、そこには人命優先で常に危険を伴う職業であることがある。

   さらには、ある乗務員の証言から、非常時のための安全訓練などを受けていないこともわかった。これまでに明らかにされた同社の監査報告書では、船員らの「研修費」名目の2013年の支出はわずか54万1000ウォン(5万3000円)。広告宣伝費(2億3000万ウォン)や接待費(6060万ウォン)と比べて極端に少なかった。

   運行管理規定では、10日おきに消火訓練や人命救助、防水などの訓練を受けなければならないと定めているが、同社がほとんど実施していなかったことも伝えられている。

   ただ、こうした船員教育費を抑える傾向は、韓国の運航会社にはつきものらしい。

   多くの死者、行方不明者を出した海難事故だが、背景にはこうした企業の利益至上主義と人命軽視があったのではないか。これらは、急成長した韓国企業に共通している可能性もある。

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