2024年 5月 2日 (木)

あなたの「便」が人の命を救うかも 腸内環境が改善するドッキリ治療法

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ドナーが様々な検査をパスした「選りすぐりの便」

   もちろん、誰の便でもよいわけではない。先述した千葉大病院の発表資料には、便の「ドナー」となる人は、倫理上の観点から「二親等以内の親族」であることを義務付けている。さらに、同病院消化器内科で実施している臨床研究により定められた様々な検査をパスした「健康な糞便」でなければならない。

   米国での様子は、CNN電子版(日本語)が2015年10月12日付の記事で報じている。マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らがつくった「オープン・バイオーム」という施設が、健康な人の糞便を集めている。ドナーに選ばれるのは「109点に及ぶ臨床評価項目を通過」した人に限られる。肥満だったり、違法薬物や抗生物質の使用があったりすると「失格」だ。候補者の中で選抜の末に残るのは、全体の3%に過ぎない。ドナーの便は、1サンプルにつき40ドル(約4800円)で買い取られる。

   こうした選りすぐりの便を移植することにより、1日20回トイレに行っていた患者が、移植直後から翌日には腸の動きが正常になる、という研究責任者のコメントを、CNNでは引用している。

   ドナー探しは簡単でないようだが、海外では糞便移植法が腸の病気の治療だけではなく、腸内細菌との関連があるとみられる肥満や動脈硬化、神経疾患の患者向けにも行われていると、日経産業新聞が2015年7月3日付で報じた。将来的には広範囲にわたる活用が期待できそうだ。

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