「選挙童貞を卒業しよう」――こんな刺激的なキャッチコピーが目を引く「選挙啓発ポスター」が、和歌山県に現れた。県内の団体が今回の参院選から選挙権を持つ18歳、19歳に投票を呼びかけるため作成。キャッチコピーはどれもくだけた表現だ。ただ、一部に「10代のうちに初体験しよう」「大切な『初めて』は信頼できる人にささげよう」など「性行為」を想起させるものもあり、ネット上の反応は賛否両論だ。「大切な『初めて』は信頼できる人にささげよう」ポスターを作成したのは、和歌山県内の学生や社会人らで作る「和歌山リア10(じゅう)プロジェクト」。目標は「和歌山の10代投票率を日本一にしよう」だ。投票の方法を細かく説明したり、投票を終えたらSNSでつぶやくよう促したり、未成年の有権者に向けたメッセージを公式サイトに載せている。発起人は、和歌山大学に通う男子学生だ。そんな「リア10プロジェクト」が制作し、公式サイトで公開したポスターは全部で38種類。公式サイトを見る限り、県内の一部小売店や飲食店などに貼りだされているようだ。下部に和歌山県特産のみかんのイラストが、上の空白部分にキャッチコピーが書き込まれている。シンプルなデザインで、肝心のキャッチコピーにも「投票すれば推しメンになる」など若者に伝わりやすい表現が選ばれている。一方、「選挙童貞を、卒業しよう」「初体験は、18歳の夏がいい」「大切な『初めて』は信頼できる人にささげよう」といった「性行為」を彷彿とさせる表現も中にはあった。こちらは2016年7月7日ごろからツイッターで注目され、「これは素晴らしいな」「強烈すぎない?」とさまざまな反応が寄せられている。和歌山県選管「あくまで任意団体」確かに選挙啓発のポスターにしてはやや大胆な表現と言えそうだが、ポスター制作の意図は何か。そして、「処女」ではなく敢えて「童貞」という言葉を使った理由は何か。16年7月7日に団体側へ質問状を送ったが、8日夕現在、丸1日経っても回答は返ってきていない。和歌山県の選挙管理委員会は「リア10プロジェクト」に関わっているのか。7日に選管へ取材すると、担当者は「活動していることは認識していますが、提携はしていません。あくまで任意団体です。(選管)公式アカウントをフォローして下さっているようですが、私どもはフォローを返していません」と答える。意表を突くキャッチコピーに関しては、「もし公職選挙法上違反になる場合は、適切に対処する」と、一般論が返ってきた。
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