大阪に万博で恩を売る作戦? 「前向き」政府が期待するコト

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   2025年開催の国際博覧会(万博)の誘致に向けた動きが本格化している。大阪府が基本構想をまとめたのに呼応し、政府も前向きな検討を始めた。実現すれば、大阪での万博は1970年以来、半世紀ぶり2度目になる。地域経済浮揚、東京五輪後の経済効果と、狙いはいろいろに語られるが、憲法改正に向け、大阪府政を握る日本維新の会を取り込もうという安倍晋三政権の思惑も見え隠れする。

   府は16年10月28日、有識者らによる府の検討会議に基本構想案を示し、了承された。それによると、テーマは「人類の健康・長寿への挑戦」。大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の約100ヘクタールを会場に、25年5~10月の会期中に3000万人以上の入場を見込む。開催費用は2000億円規模で、うち会場建設費は1200億~1300億円。690億~740億円と見積もる運営費は、入場料やライセンス使用料などで賄う方針。経済波及効果は約6兆4000億円と弾いている。

  • 大阪での万博実現なるか(写真はイメージ)
    大阪での万博実現なるか(写真はイメージ)

年度内の閣議了解も「大いにあり得る」

   中心施設のテーマ館は、未来の「健康・長寿社会」が実感できる内容とする。日本の出展ゾーンでは、健康・長寿社会を実現する製品やサービスを提案する場として、伝統的な日本の住まいに新しい技術を結集する「滞在型究極健康ハウス」や、来場者が身に着けたウェアラブル端末で健康状態をチェックできる未来の街「健康スマートタウン」などを例示している。

   ただ、万博は、自治体(都市)が開催する五輪とは違って政府が立候補の主体のため、府は政府に働きかけを繰り返していた。府の熱烈なコールに、安倍政権も前向きだ。9月28日、衆院代表質問で維新の馬場伸幸幹事長の質問に、安倍晋三首相は「地方を訪れる観光客が増大し、地域経済が活性化する起爆剤になることが期待される。しっかり検討を進める」と、最大級の答弁をしている。

   松井知事と親しい菅義偉官房長官が経産省に早い段階から検討を強く指示したといわれ、菅長官は、府の基本構想が発表された10月28日の記者会見で「(構想を)具体化し、他国と競争できるような内容にすることが求められている。しっかり検討を進めたい」と明言。今後、経産省が有識者らの検討会を設置し、招致の勝算や経済効果などを検討することになるが、政府関係者の間では、府が目標とする今年度内の閣議了解も「大いにあり得る」とささやかれる。

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