「ホームレス排除」憶測は事実だったのか 渋谷の国道「突起物」撤去の真相

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   東京・渋谷の一般道に設置された小さな中央分離帯が今、ネットでクローズアップされている。分離帯上の石をめぐり、「ホームレス除けでは」との憶測が広まったのだ。

   道路を管理する国土交通省は憶測を否定する一方で、石をすべて撤去してしまった。なぜ石を置く必要があったのか、そしてなぜ撤去したのか。

  • 石が撤去された後の「交通島」(2016年12月14日撮影)
    石が撤去された後の「交通島」(2016年12月14日撮影)
  • 石が撤去された後の「交通島」(2016年12月14日撮影)
    石が撤去された後の「交通島」(2016年12月14日撮影)

人が寝泊まりできるスペースには見えないが...

   現場は、渋谷駅前から伸びる道玄坂と国道246号線(通称「玉川通り」)、首都高速3号渋谷線がぶつかる道玄坂上交差点だ。渋谷駅前ほどではないにしろ、昼夜問わず車や人の通りが多い。

   この場所が思わぬ形でクローズアップされたのは、16年12月9日。あるツイッターユーザーが同地にある中央分離帯の写真を投稿し、

「渋谷は首都高の高架下もこんな感じ。どこの地獄ですか」

とつぶやいた。

   中央分離帯は一般的な植え込み(植栽帯)ではなく、コンクリート丸見えの状態。そして、なぜかとがった石が一面に埋め込まれている。

   「ホームレス排除だ」「ホームレス対策だ」――。ツイート主の報告に反応した多くのユーザーが、とがった石を根拠にそう指摘し始めた。ジャーナリストや評論家といった拡散力のあるユーザーもリツイート(拡散)に加担。一連の流れをまとめた記事が14日、ツイッターのまとめサイト「Togetter」に掲載されるに至った。

   記者は14日昼過ぎ、現地を訪れた。その小さな中央分離帯は、夜になっても車が絶え間なく行き交う車道の真ん中にポツンと設置されている。周囲の環境を考えると、ここに人が寝泊まりできるスペースには見えなかった。

国土交通省「(植栽を取り去ると)心理的にゴミを捨てにくい」

   道路を管理する国土交通省東京国道事務所によると、この場所は「交通島」と呼ばれ、11月下旬まで植栽帯だった。

   本来人は立ち入れないものの、なぜかゴミの投棄が後を絶たず、地元住民と撤去、清掃を繰り返していた。人の立ち入りとゴミの投棄を合わせて防ぎたい――。そうした目的で植栽を取り除き、代わりに石を置いたという。ホームレス排除が目的ではないともいう。

   とはいえ、その石をめぐって地元住民から「見た目が攻撃的」「視界に入ると良くない」との意見が上がっていた。

   結局、「景観・安全性に配慮してなるべく突起物のない違う形で整備する」として12月12日、13日の間に撤去。突起物がゴミの投棄を防ぐという「効果測定」にはもう少し時間がかかるようにも思えるが、実際に投棄防止効果はあったのか。記者の質問に対し、担当者は

「ゴミが植栽に隠れて捨てられないようにきれいにしておくと、心理的にゴミを捨てにくいため、ゴミ対策になります」

と答えている。

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