岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
ドナルドは誰の大統領なのか(前編)

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   2017年3月中旬の猛吹雪のあと、ニューヨークでは少し気温が上がりつつある。春を待ち切れずに、人々は公園のベンチにすわって話し込み、本を読み、スマホをいじり、穏やかに暮らしているように見える。が、全米各地で行われる反トランプ派の集会では、今もトランプ派との激しい応酬が繰り広げられている。

   トランプ氏を大統領として受け入れられない反トランプ派。いい加減に現実を受け入れろと訴えるトランプ派。両派の対立が印象的だったのは、やはり、President's Day(大統領の日、2月第3月曜日で今年は2月20日)での一幕だ。

  • トランプ・タワーの前では、ドナルドが誰の大統領なのか、それぞれの主張が繰
り広げられた(2017年2月20日)
    トランプ・タワーの前では、ドナルドが誰の大統領なのか、それぞれの主張が繰 り広げられた(2017年2月20日)

トランプ・タワー前の「愛国心」と「星条旗」

   この日は元々、初代ワシントン大統領の誕生日を祝う日だが、同じ2月生まれのリンカーン大統領の誕生日も、ともに祝う。この日、全米各地で反トランプ派が集会を開き、「Not my president!(私の大統領じゃない!)」と気勢を上げた。

   ニューヨークでは、会場となったトランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワーの前の広場に、一足先にトランプ派が集まった。反対派の集会の数時間前に集合するようにと、仲間たちに呼びかけた。

   彼らは「アメリカを再び偉大に」と書かれた赤い帽子を被り、「USA! USA!」「Look at your president! Here's your president!(君の大統領を見ろ! これが君の大統領だ!)」と、大きな星条旗と、星条旗の背景にトランプ氏の顔がプリントされた大きな旗を広げて、声高にアピールした。

   「文句を言い続けるのは、やめろ! ヒラリーは選挙に負けたんだ!」と別のトランプ派が訴える。

   反トランプ派が集まってくると、激しい応酬が始まった。怒鳴り合う声が重なり、なかなか聞き取れない。両者ともものすごい剣幕だ。

   「なんでそんなものを、ここに持ち込むのよ!」と反トランプ派の女性が、トランプ氏の顔付きの星条旗を指さす。

「大統領の日なのに、星条旗のどこがいけないんだ。君たちに愛国心はあるのか!」
「星条旗と愛国心とは、関係ないでしょ!」
「USA! って、言えよ! お前たちの国じゃないのか!」
「こんな人種差別者、尊敬もしないわ! 私たちの大統領じゃない! 尊敬するのは、ビジネスマンとしてだけよ」
「どうしてトランプは、家族で政治に関わってるのよ! 独裁政治だわ。恐ろしい!」
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