2024年 4月 20日 (土)

籠池氏と昭恵氏、嘘つきはどっちか 100万円寄付「二人きりで」の真贋

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   参院予算委員会で2017年3月23日午前に行われた森友学園の籠池泰典理事長に対する証人喚問で、籠池氏は、「安倍晋三(首相)からです」と昭恵夫人本人から100万円の寄付を受け取った、との従来の主張を繰り返した。

   籠池氏は、昭恵氏が2015年9月5日に塚本幼稚園で講演した際、直前に園長室で昭恵氏が人払いをした上で100万円入りの封筒を受け取ったと主張。一方で、西田昌司議員(自民)は昭恵氏から聞き取りした結果として、昭恵氏は100万円の寄付を否定し、随行者も「席を外したことはない」として籠池氏の主張を疑問視。籠池氏と昭恵氏側の主張が完全に食い違っており、どちらかが嘘をついていることになる。

  • 参院予算委員会で証言する森友学園の籠池泰典理事長(写真は参院インターネット中継から)
    参院予算委員会で証言する森友学園の籠池泰典理事長(写真は参院インターネット中継から)
  • 参院予算委員会で証言する森友学園の籠池泰典理事長(写真は参院インターネット中継から)

振込人「安倍晋三」は会計士が「まずい」と判断

   籠池氏の主張によると、 

「昭恵夫人は講演の控え室として利用していた園長室で、私と対面していただいたとき、同行していたお付きの方に席を外すようにおっしゃった後、私と二人きりの状態で『ひとりにさせてすみません。どうぞ、安倍晋三からです』というふうにおっしゃって、寄付金として封筒に入った100万円をくださった」

と主張。

「私たちには大変名誉な話なので鮮明に覚えている」

とも述べた。その後の100万円の処理については、

「早々に職員室にいた副園長に『いただきました』と渡し、その日は土曜日だったので、中身を確認し、100万円であるということを確認して金庫に入れた」

として、週明け月曜日の9月7日に幼稚園の職員が振込人欄に安倍晋三と書いて郵便局に持参。その場で副園長経由で会計士に確認したところ「まずい」と判断され、振込人の欄を「匿名→森友学園」の順で修正テープで修正した、とも説明した。

お菓子の袋に10万円入りの封筒を入れる

   昭恵氏への10万円の講演料については、

「10万円の講演料を先に用意していたので、100万円をいただく前に用意しており、ご講演が終わってお帰りの時にお渡しした。お菓子の袋に10万円が入っている封筒に『感謝』という銘を入れお持ち帰りいただいた」

と説明した。

   安倍晋三首相や菅義偉官房長官は国会答弁や記者会見などで、こうした昭恵夫人にからむ100万円や10万円のやり取りを全面的に否定している。また、籠池氏と昭恵氏の「2人きり」だったか、についても双方の言い分は大きく食い違っている。

   西田議員は昭恵氏から事前に事情を聞いた内容として、

「当日は2名のお付きの方がおられた。そして2名がずっと一緒に奥様とおられて、次の予定で出られる時には1人の方が出て電話連絡等あったけれども、その席を外したことはない、つまり奥様ひとりではないとおっしゃっている」

として、籠池氏の「2人きり」だったという説明を疑問視。籠池氏は

「その話は違ってると思います。私とご夫人と、そして秘書の方がいらっしゃったが、秘書の方は直前にお人払いをされたので2人だった」

と真っ向から反論した。10万円の授受については、昭恵氏本人か随行者のどちらに渡したかについて

「記憶がはっきりしない」

と述べた。

昭恵氏と籠池夫人とのメールは2月に22回、3月に15~16回

   籠池氏が昭恵氏に口利きを依頼していた事実も明らかにされた。払い下げられた豊中の国有地は、当初は10年間の借地契約だったが、籠池氏は15年10月に

「借り上げの条件だった10年という期間を、もっと長い期間へ変更できないかとの思いから、私たちの教育理念に賛同している昭恵夫人に助けをいただこうと考え」

   昭恵夫人の携帯電話の留守番電話のメッセージを残したところ、後日、「内閣総理大臣夫人付きの人」から「なかなか難しい」との返事があり、同11月17日には、その人から

「大変恐縮ながら、現状では希望に沿うことはできない。なお、本件は昭恵夫人にも報告させていただいております」

とファクスが送られてきたという。

   その後も籠池氏側と昭恵氏とのやり取りは頻繁だった。昭恵氏が妻の諄子(じゅんこ)氏の間のメールのやり取りは17年2月に22回、3月に15~16回に及んだ説明。これに加えて、事件表面化後の「2月の18(日)以降、25日ぐらいの間」に、昭恵氏が諄子氏に対して、

「ご夫妻が今、大変なことは想像がつきますが、主人にとっても大変なことに巻き込まれたということも理解いただきたいと思います」
    「私が関わったということは、裏で何かあったのでは、と疑われないように」

といった内容の「口止めとも取れるメール」を送ったとも主張。

「あんなに私たちの学校の開校を楽しみにしてくれていて、考え方に非常に共鳴しているだとか、森友学園の先生の教育に対する熱意は素晴らしいという話を聞いていると総理もおっしゃっていただいているのに、どうしてなのか割り切れない思い」

などと恨み節もこぼした。

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