モテモテ宅配ボックス 「多機能型」にも集まる期待

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   社会問題化している宅配ドライバーの人手不足や労働環境悪化の解決の切り札の一つとして、客が自宅にいなくても宅配便を受け取れる「宅配ボックス」に改めて注目が集まっている。宅配業者が駅やコンビニエンスストアなどに設置する動きが進んでいるほか、受取時間と場所を指定できる「移動宅配ボックス」などユニークな実験も始まっている。

   インターネット通販の急増でここ数年、急速に宅配便の量が増加する一方、人手不足が恒常化し、宅配ドライバーは昼食をとる時間もないほど労働環境が悪化し、疲弊している。これがヤマト運輸の時間外賃金不払いをきっかけに社会問題化し、「宅配危機」とも称せられ、宅配便の料金値上げ、さらには宅配業者が通販業者との契約を打ち切るなどの動きが広がっている。

  • 「宅配ボックス」に注目が集まっている(画像はイメージ)
    「宅配ボックス」に注目が集まっている(画像はイメージ)

再配達、ドライバーの実感は「3~4割」

   特にドライバーの労働をいっそう過重にしているのが、不在宅に何度も荷物を運ばなければならない「再配達」。宅配業界の専門家によれば、「3~4割が再配達されているのがドライバーたちの実感」といい、再配達さえなくなれば、労働環境が改善する可能性は高いといわれる。

   かくて、注目度が一気にアップしているのが宅配ボックスだ。ロッカーのような入れ物で、マンションで帰宅した住人が専用カードなどで荷物を取り出すほか、駅前などの公共空間で不特定多数が利用する場合、宅配業者はボックスに荷物を入れ、受取人にメールなどで暗証番号やパスワードを伝え、受取人はその番号などでボックスを解錠し、荷物を受け取る仕組み。宅配業者が荷物を入れる際、ボックスに押印機能などが付いていて、宅配業者は配達証明として使うことができる。

   不在配達では、マンションだけでなく一戸建て住宅にも対策が広がっている。今春、日本郵政と大和ハウス工業などが、宅配便のほか、書留郵便物の受け取りなどもできる多機能型宅配ボックスを共同開発した。パナソニックの戸建て住宅用宅配ボックスは今2017年春、受注が急増しているという。

受取時に電子決済できるロッカーも

   また、通勤途中の駅や買い物に行った先の商業施設で荷物を受け取れる宅配ボックスが、急速に普及している。ヤマト運輸は、2016年から都市部の駅や商業施設に宅配ボックスを設置しており、2022年までに全国5000か所に設ける計画を前倒しする方針だ。日本郵政も駅などに設置を進めている。

   代金着払いができない宅配ロッカーの弱点を克服する取り組みもある。両替機などのメーカー、グローリーは、受取人が荷物を取り出す際に電子マネーのICカードで決済できるようにしたロッカーを開発した。

   さらに、ヤマト運輸とディー・エヌ・エー(DeNA)は17年4月から神奈川県藤沢市でユニークな実用実験を始めた。保管ボックスを備えた専用の電気自動車を走らせ、客は指定した時間と場所で荷物を受け取れる。公園で子供を遊ばせている最中などでも受け取りは可能だ。スマートフォンから10分刻みで配達時間を指定することができ、到着3分前には通知があるという。当面は人が運転するが、自動運転化も視野に入れている。

   多様な宅配ボックスはドライバーの疲弊解消につながるか、多方面から注目が集まっている。

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