2024年 4月 28日 (日)

「好きなこと」は何歳からでも始められる! 超元気スーパーシニア3人に学ぶ健康長寿術

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【健康カプセル ゲンキの時間】(TBS系)2017年9月17日放送
超元気なスーパーシニアに学ぶ、「フレイル」予防法

   「健康で長生き」はみんなの願いだが、最近、要介護一歩手前の状態である「フレイル」(虚弱)の高齢者が増えている。

   フレイルを予防するにはどうしたらよいか。番組ではオーバー80の3人のスーパーシニアが登場、健康寿命を延ばす秘訣を紹介する。ヒントは、3人の共通点が60代から「好きなこと」を始めたことだ。

  • 81歳の「海の若大将」(写真はイメージです)
    81歳の「海の若大将」(写真はイメージです)
  • 81歳の「海の若大将」(写真はイメージです)

60歳から運動を始めた81歳の現役ウインドサーファー

   番組では冒頭、恒例の健康クイズから。「『適度な運動』『バランスの良い食事』と並んで、健康で長生きするために大切な要素は次のうちどれか? お風呂の入り方・人との交流・睡眠時間」。答えは「人との交流」だ。

   最初に登場したスーパーシニアは神奈川県鎌倉市の海岸で、若者たちに交じってウインドサーフィンをしている中村明さん、81歳だ。ウインドサーフィンは背筋や腕力、バランスをとる脚力など全身の筋力を必要とする。見た目以上にハードなのだ。番組リポーターのお笑い芸人・深沢邦之さん(51)は趣味が筋トレの筋肉自慢。しかし、中村さんのボードのセイル(帆)を持ち上げて組み立てようと試みたが、重すぎてできなかった。この中村さんの「筋力」について東京大学高齢者総合研究機構の飯島勝矢教授はこう感心する。

飯島教授「81歳としては、かなりスゴイ。フレイル状態を相当予防されている方だなと思います」

   「フレイル状態」とは何か? 「フレイル」とは「虚弱」を意味する。今、高齢者の健康問題で注目されている言葉だ。「ものすごく健康でもないが、要介護ほど弱っていない状態」のことだ。「要介護の一歩手前」で、この期間をどう過ごすかによって健康寿命が大きく左右される。飯島教授は、フレイルかどうか自己チェックするテストを紹介した。「はい」か「いいえ」で答える。

【フレイル自己チェック】

(1)物忘れがすごく気になる。
(2)お茶や汁物でむせる。
(3)昨年より外出回数が減っている。
※(1)~(3)は「はい」の数を、(4)以降は「いいえ」の数をカウントする。
(4)健康に気をつけた食事を心がけている。
(5)野菜と主菜(肉または魚)を両方、毎日2回以上食べる。
(6)サキイカ・タクアンなどの固い食品を噛み切ることができる。
(7)1日30分以上の汗ばむ運動を、週2回以上1年以上続けている。
(8)歩行または同等の身体活動を1日1時間以上している。
(9)同年代の同性と比べ、歩く速度が速い。
(10)1日1回以上は、誰かと共に食事をする。
(11)自分は活気にあふれていると思う。

   スコアが6個以上あればフレイル状態の可能性が高い。しかし、「安心してほしい」と飯島教授は言う。

「日本一」を目指す90歳「卓球女子」も初めは60歳から

飯島教授「フレイルの時期で一番重要なのが、頑張れば健康状態に戻れるということです。まだ間に合う!という点が大切なのです」

   実は、ウインドサーファーの中村さんも、フレイル状態から身体能力を戻せた人のお手本だ。運動を始めたのは64歳から。学生時代はボート部だったが、就職後まったく運動をしないまま定年を迎えた。若い頃の思い出を胸に再び海へ出ようと決意。しかし肉体は衰え、公園の坂道を上がるだけで息切れした。中村さんは毎日コツコツ自転車をこぎ、3年後には50段の階段を一気に駆け上がることができるようになった。

   そんな中村さんの気がかりは、マリンスポーツが若い人ばかりだということ。60を超えたオジサンが受け入れてもらえるだろうか? えいやとサーフショップに飛び込むと、若いサーファーが笑顔で受け入れてくれ、今では最年長サーファーとして人気者に。

飯島教授「フレイルから元に戻るためには、運動や食事ももちろんですが、人との交流が大事なのです。中村さんの場合は『もう年を取っているから』とあきらめず、若い人の中に飛び込んだことが分かれ道になりましたね」

   続くスーパーシニアは、「卓球日本一」を目指し練習に励む東京都の萩原昭子さん、90歳。2017年3月の東京卓球選手権大会90代の部で準優勝した。力強く正確なプレイは、とても若々しい。卓球は足腰や心肺機能を高め、高齢者にオススメのスポーツだ。実は、萩原さんがラケットを持ち始めたのは60歳からだ。夫が経営する卓球用品会社で経理をしており、60歳の定年を迎えた時、「どうせ家業だから一度くらい...」と始めて夢中になった。

アップル社最高齢のプログラマーは60歳までパソコン音痴

   「90歳であの動きはスゴイ」と感心した飯島教授がもう1つ注目したのが萩原さんの「身だしなみ」だ。萩原さんの爪にはキレイなマニキュアが。

飯島教授「外へ出かける時に少しでもキレイでいたいという気持ちは、フレイル予防に大きく役立っています。これまでは身体的な衰えを『虚弱』と言ってきましたが、それだけではなく、心の部分や社会生活の衰えも『虚弱』から外せないことが最新研究でわかってきたのです」

   萩原さんは卓球教室などで人前に出ることが多く、身だしなみに手は抜かない。時間を作っては美容室で、髪や爪の手入れをしてもらい、お気に入りのミセスブランドで買い物を楽しむ。積極的に外に出て、好きなことを楽しみながら続けることが大事なのだ。

   中村さんと萩原さんの2人は、比較的楽に第2の人生の目標を見つけやすい環境にあったといえる。3人目のスーパーシニア、若宮正子さん(82歳)は母親の介護で外出すらままならない事情を抱えながら人生の目標に出会った。

   番組ではアップル社の新商品説明会の映像が映し出された。ティム・クックCEOが「マサコ・ワカミヤは82歳! 彼女は日本出身で今年初めてアプリを公開した。彼女はわが社の史上最高齢のプログラマーである」と紹介し、壇上で若宮さんにハグした。

   若宮さんが開発したアプリは「Hinadan」(ひなだん)。雛人形を正しい位置に配置するシニア向けのシンプルなゲームだ。若宮さんは専門学校に行ったこともなく、独学でコンピュータープログラムをマスターした。60歳の定年後、母親の介護で家から出られなくなった時、「コンピューターがあれば、世界とおしゃべりできる」という雑誌記事を見た。すぐにパソコンを購入。高齢者が集まるインターネット上の掲示板に接続、コンピューターのイロハを知り合った仲間から教えてもらった。その時の感動は今でも忘れられない。

若宮さん「ウエルカムメッセージをみんな送ってくれるのです。『人生60歳を過ぎると面白くなります』と書いてありました」

   若宮さんは自分の経験を活かし、高齢者にパソコンを教える活動で日本中を飛び回っている。若宮さんは語る。

若宮さん「何かを始めるのに遅いということはありません。いつまでも好奇心を持って好きなことを続けられることが幸せです」

   最後に飯島教授がこう説明した。

飯島教授「私も幅広く高齢者の方々とお付き合いしていますが、単に健康増進のために何かをやっている人よりは、むしろ好きだから続けてきたとか、今までやれなかったが、やっとやれる時間ができて続けている人の方が若々しいケースが多いです。健康になるために何かを頑張るのではなく、好きなことをしたいから頑張っていると結果的に健康になるということです」
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