2018年 8月 18日 (土)

「人食いバクテリア」が過去最多の患者数 「あっという間に死亡」する病気の防ぎ方は

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   「人食いバクテリア」とも呼ばれる「劇症型溶血性連鎖球菌感染症」の2017年の患者数が過去最多になったことが国立感染症研究所の調査でわかった。

   致死率は30%と高い。感染すると患部の腫れが1日で広がり、放っておくと手足が壊死し、多臓器不全になって死亡する恐ろしい病気だ。2017年6月、プロ野球・西武の森慎二コーチ(享年42)も命を落とした。

  • 小さな傷でも絆創膏を貼ろう
    小さな傷でも絆創膏を貼ろう

どんな場所にもいる普通の菌が突然変異で凶暴に

   国立感染症研究所の「感染症発生動向調査」によると、2017年の患者数は11月26日までに493人となり、過去最多だった2016年の492人を上回った。同研究所のウェブサイト「人食いバクテリアの正体を明かす」の中で、阿戸学・免疫部第二室長がこう解説している(要約抜粋)。

「1980年代、突然のショック、発熱、手足の激痛で発症し、治療をする間もなく死亡する病気が報告された。患者を調べると病気を防ぐ白血球がほとんどなくなっていた。世界各地で同様の報告が相次いだことから、英国の新聞がこの奇妙な感染症を『人食いバクテリア』と書き、世界中に衝撃を与えた」
「しかし、『人食いバクテリア』という名の細菌は存在しない。原因菌の大部分は、子どもに咽頭炎などを起こす溶血性連鎖球菌(溶連菌)で、あらゆる場所に存在する。重症化のメカニズムは不明だが、最近の研究で、劇症を起こす溶連菌は、普通の溶連菌が突然変異し、体の病気に対する防御・免疫機構を破壊する能力が著しく増大したものとわかった」

   このため、糖尿病や肝臓病、心臓病などで免疫力が落ちていると、ほんの小さなすり傷からも菌が侵入、あっという間に病気が進行する。菌が侵入した場所はすぐに壊死し、血が流れないため抗菌薬が使えない。だから傷口のある手足などをできるだけ早く切断するケースもある。

腫れが広がったら集中治療室がある病院に駆け込め

   2015年9月3日のNHK「あさイチ」では、この病気を発症した女性の体験談を放送した。女性はこう語った。

「早朝に寒気がして目が覚めたとき、熱が38度ありました、ウトウトして15分後に膝や足に激痛が走って、立ち上がれなくなりました。救急車で搬送される時には血圧は上が69、下が22まで落ちていました。肺も空気を取りこめないでヒュルヒュルいうし、血便、血尿でとにかく怖かったです」

   番組で、東京女子医科大学感染症科の菊池賢教授はこう警告した。

「とにかく進行が早いのです。朝は足の甲だけの腫れだったのが、午後には膝下まで腫れて、呼吸器や他の臓器まであっと言う間に不全になります。1~2日で死亡される方も多い。しかも、どんな場所でもすべての人がかかりやすい恐ろしい病気です」

   そして、注意点をこうアドバイスした。

「腫れの急激な広がり、痛み、発熱、ふるえが出たら集中治療室がある病院に駆け込んでください。感染を防ぐには傷口を露呈しないこと。『靴擦れ』『水虫』『深爪』などの傷は絆創膏などを貼って下さい」
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