2021年 2月 28日 (日)

『日報隠蔽』の著者に聞く(上) 「PKO日報」、だれが隠したのか?官僚にとって「国民は敵」なのか

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民主主義の底が抜けている

――公文書というのは、役所が出してきたり、出さなかったり。誰の判断なんでしょうか。

布施 日報で言うと、現地の派遣部隊の上の中央即応集団司令部という陸上自衛隊の部隊があり、そこがまずは直接担当します。ただ、請求した僕のもとに届くまでには、いろんな決裁ルートを通る。今回で言えば、中央即応集団司令部が「日報はあるけど、個人資料の扱いにして開示しない」という判断を、陸上自衛隊を統括する陸上幕僚監部というところに上げ、そこが了承したうえで大臣官房に上げます。大臣官房は、日報を保有している可能性がある統合幕僚監部にも確認のうえで、最終的には防衛省全体として「日報は存在しない」という決裁をしました。つまり、組織ぐるみで隠蔽ということです。

――テレビを見ていると、官僚のOBとか出てきて、黒塗りで出す文書のことを「海苔弁です」とか言って、当たり前のような顔で話していますよね(笑)。何か違和感があるというか(笑)、どうしてああいう人は、「海苔弁」と言って、平気な顔しているのかなっていう感じを持つ人も多いんじゃないかと思うんですけども。

三浦 今まさに決裁文書などの公文書の取り扱いが問題になっていますけど、そもそもは、私たちの税金を使って役人が作った文書、それは「公」の字が表しているとおり、「我々の文書」なんですよね。
 「彼ら」は、少しでも問題があるところは黒塗りにしようとするけれど、本来は全部オープンにしなければいけない。それがいわゆる公文書公開の原則です。個人情報や国家間の取り決めなど、きわめて限られてケースに限り隠すことができるという原則が、今は多分に拡大解釈されているように思います。
 ではなぜ、行政は「隠す」のか。そこにあるのは組織防衛や、いわゆる保身ではないのか。自分たちにとって都合が悪い情報が外に出ないよう、必死に「守り」に回ってしまっている。でも、官僚にとって、僕たちは「敵」なのでしょうか。本来は国民の味方であるはずの官僚が、今回の問題では立ち位置を誤り、国民の敵、いわゆる「パブリックエネミー」に成り下がってしまっている感が否めない。
 公文書に書かれていた「事実」が改ざんされたり、隠蔽されたりしてしまうと、もう民主主義の場では議論が成り立たなくなってしまいます。だからアメリカやヨーロッパの国々では、公文書っていうものを非常に大切にする。
 それができない日本は今、民主主義の底が抜けてしまっているような状況です。森友問題もそうですし、南スーダンのPKO日報隠蔽もそう。今回のイラクもそうですけど、ここまで連続して公文書が改ざんされたり、隠蔽されたりしていると、何が本当で何がウソなのか、国会で議論されていることが何も信じられなくなってしまう。個人的には「民主主義が本当に危険な状態になっているな」と強く感じています。
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