2024年 4月 20日 (土)

「弔い合戦」オール沖縄の勝算 翁長氏に代わる候補出せるか

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   沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事の死去を受け、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移転が最大の争点になる県知事選の行方に注目が集まっている。

   翁長氏は再選を目指すかどうか明言しないまま死去。辺野古移設を容認するとみられる保守派は候補の一本化を進める一方で、移設阻止を目指す「オール沖縄」勢力は出遅れた形となる。ただ、選挙戦が「弔い合戦」の色を帯びる可能性もあり、情勢は流動的だ。

  • 死去した沖縄県の翁長雄志知事。後継候補選びが急がれる(2015年5月撮影)
    死去した沖縄県の翁長雄志知事。後継候補選びが急がれる(2015年5月撮影)
  • 死去した沖縄県の翁長雄志知事。後継候補選びが急がれる(2015年5月撮影)

9月9日投開票なら告示まで半月しかない

   公職選挙法の規定によると、翁長氏の職務代理者を務めている副知事は、翁長氏の死去から5日以内に選管に通知し、選管はその日から50日以内に選挙を行うことになっている。日曜日に投開票が行われるとすると、最も遅い場合で9月13日告示、30日投開票。ただ、9月9日には県内の20以上の自治体で首長選や市町村議会選が行われるため、この日に合わせて知事選が行われる可能性もある。9月9日投開票の場合、告示は8月23日。あと半月しか残されていない。

   知事選では、保守系で元日本青年会議所会頭の安里(あさと)繁信氏が出馬表明したのを皮切りに、7月30日には宜野湾市長の佐喜真淳氏が、自民県連などでつくる候補者選考委員会による出馬要請を受諾する形で出馬の意向を表明。自民が支援する佐喜真氏に一本化される公算が大きい。

40年前の選挙では?

   一方、先行きが見えないのが翁長氏を支えてきた「オール沖縄」勢力だ。翁長氏は社民党、沖縄社会大衆党、共産党などの支援を受けて14年に初当選。これら県政与党は、翁長氏の再選を目指す方針を確認しており、翁長氏が出馬を表明した場合は一騎打ちになるとみられていただけに、翁長氏の死去で態勢の根本的な立て直しを迫られる。

   これまで翁長県政を支えてきた謝花喜一郎副知事や、辺野古移設に反対してきた稲嶺進・前名護市長、糸数慶子参院議員らの名前が後継候補として取りざたされるが、翁長氏ほどの求心力は期待しにくい。ただ、「弔い合戦」として県民の同情が集まる可能性もある。

   過去の沖縄県知事選で「弔い合戦」になったことはないが、知事が健康上の問題で任期を満了できずに辞職した例はある。第2代知事の平良幸市(たいら・こういち)氏だ。1976年に初当選したが、78年7月に出張先の東京で脳血栓で倒れ、入院を経て11月に辞職した。

   平良氏は革新系だったが、同氏の辞職を受けて行われた県知事選では、自民・民社の推薦を受けた西銘順治(にしめ・じゅんじ)氏が革新系候補を破って当選。革新陣営としては、平良氏の無念を晴らすことができなかったとも言える。

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